チャンス・マネジメントも考えよう

リスクマネジメント

リスク・マネジメントがあるならチャンス・マネジメントもある

「リスク・マネジメント」で検索すると多数のサイトがヒットしますし、書籍もたくさん出ています、それだけ、社会の関心はリスクをどう管理するかに集まっています。リスクを管理するとは、確率は高くなくとも大きな被害を被るおそれのある事象に対して、予め保険等の対策を講じることです。

でも、ちょっとまってください。例えば京都のホテル業界では、観光客が増えたにも関わらず従業員を集められないため、せっかくの需要を満たしきれていないという問題が起きています。これはチャンスを逃しているということです。

確率の高くないリスクに備えるなら、確率の高くないチャンスに備えることも大事でしょう。本稿では、リスクマネジメントの考え方から、チャンスに備える方法を整理します。

ステップ1:チャンスの識別

リスクマネジメントでは、最初のステップとして、想像力を働かせてリスクをまずピックアップします。そこで、チャンスマネジメントでも、想像力を働かせて様々なチャンスをまずはリストアップしてみましょう。ここでは、希望的観測も含めて、とにかく起こりうるチャンスをたくさん挙げていきます。その可能性等は次のステップで判断します。

ステップ2:チャンスの測定

チャンスを識別したら、そのチャンスの可能性とインパクトを数値化していきます。インパクトとは、そのチャンスを活かすことができたら得られるメリットで、最大限の利益を算定します。ここは、おそらくやり始めると夢があって楽しい作業になると思いますが、あまり楽観的に測定すると後で落胆してしまいますので、慎重に数値化する必要があります

ステップ3:チャンスの選択と対応

それぞれのチャンスの確率や金額が算定されると、その中で総合的にメリットの大きなものから、注力するチャンスを選択し、そのチャンスに備えて準備を始めます。例えば、インバウンドの再開に伴う需要回復を見込む場合、日々のニュースから、インバウンドに対するルールの変化に敏感に対応し、予約の増えそうな時期を想定して早めに求人をかけるといった対応です。

こうした対応は、いち早くできた事業者が大きくレースを抜け出すことができるもので、そこまでたどり着けると、大きなメリットを享受でき、チャンスマネジメントに取り組んだ意義が出てきそうです。

ステップ4:事後検証

成功しても、失敗しても、事後的に検証することは不可欠です。成功した場合、何が良かったか、よりよくする方法はあったか等を、失敗した場合、何が失敗で、どうすればよかった等を整理しておくことにより、次の機会に役立てることが可能となります。

まとめ

リスクマネジメントは重要ですが、弱気になってばかりいては成長できません。積極的にチャンスをつかみにいくことが大事です。そのために、リスクマネジメントの考え方を前向きに生かすことも大事だと考えます。

当研究所では、経営大学院でリスクマネジメントを本格的に学んだ弁護士・公認会計士が、幅広い観点から御社の発展に貢献いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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