自社サイトにお問い合わせフォーム設置は必須だが
企業や店舗が自社のウェブサイトを持つことは今や当然の時代になっています。商品やサービスを知ってもらうための窓口として、ホームページは欠かせない存在です。その際に必ず設置すべきものの一つが「お問い合わせフォーム」です。サイトを訪れる人が気軽に質問や相談を入力できるフォームは、潜在顧客との最初の接点となるため、集客の入口として大変有効です。特に、電話よりもハードルが低く、時間を気にせず書き込める点は利用者にとっての利便性が高いといえます。
一般的には、フォームに入力された問い合わせはメールで企業に届きます。そして、そのメールに対してメールで返信することが自然な流れであり、多くの会社はそのように対応しているでしょう。しかし、そこで終えてしまうとせっかくの見込み客を取り逃がしてしまう危険性があります。なぜなら、メールのやりとりだけでは相手の温度感や本音を十分につかみきれず、契約や来店につながらないまま関係が途絶える可能性があるからです。
さらに、メールは一方通行的な性質を持っており、こちらがいくら丁寧に説明しても、相手が開封すらしないケースも多々あります。例えば、他社と比較している最中の顧客であれば、よりレスポンスの早い企業や、直接対応してくれる企業へ流れてしまう可能性が高いです。つまり、問い合わせの返答を「メールだけ」で終えてしまうことは、競合に顧客を奪われるリスクにもつながります。
お問い合わせフォームを設置することは第一歩として欠かせませんが、それをどのように活用するかで結果が大きく変わります。単なるメールのやりとりで終えるのではなく、問い合わせを契機に電話で直接話すことで顧客獲得につなげられる余地があるのです。そこで本稿では、この「問い合わせ後の電話対応」が持つ有効性について掘り下げて考えていきます。
お客は面倒くさがり屋
お問い合わせフォームは、顧客が軽い気持ちで質問や相談を投げかけられる便利な仕組みです。電話をするほどではないが、ちょっと気になったことを知りたいといった場面では特に有効で、ハードルの低さが魅力となっています。しかし、問題はその後にあります。多くの人は、実は自分が送った質問の回答を読むことすら面倒に感じてしまうのです。
例えば、企業側が真摯に対応しようとして、長文のメールで詳しく説明したとします。ところが、読み手にとってはその長文を読むこと自体が負担になります。しかも、スマートフォンでメールを確認する人が多い時代では、長文のメールは視覚的にも読みにくく、後回しにされてしまうケースが増えます。結果として、企業は一生懸命に説明したにもかかわらず、相手にきちんと読まれず、そのまま機会を逃すことになるのです。
また、人間は本質的に「後でやろう」と考えがちな生き物です。メールに返信しなければと思っても、仕事や日常の忙しさに追われているうちに忘れてしまい、再び企業に連絡することはありません。問い合わせた側にその商品やサービスへの興味があったとしても、メールでの対応だけでは熱が冷めてしまいがちです。
さらに、メールは感情のやりとりに乏しいため、顧客の気持ちが温まらないまま終わってしまうことが多いです。文章の丁寧さや礼儀正しさは伝わっても、「この会社に任せたい」と心を動かす要素にはなりにくいのです。そのため、メール対応は一見合理的に見えますが、実際には顧客の面倒くささや感情の不足が障害となり、成約まで至らないことが多いです。
だからこそ、フォームからの問い合わせを確実に顧客につなげるためには、別のアプローチが求められます。
電話対応のメリット
お問い合わせに対して、企業側から直接電話をかけることには多くのメリットがあります。まず第一に、電話は「すぐに対応してもらえる」点が大きいです。相手がメールを開封して返信してくれるのを待つ必要がなく、その場で相手の意見や状況を聞き出すことができます。これはスピード感が重要なビジネスにおいて極めて有効です。
さらに、電話でのやりとりは双方向的であり、顧客が抱える悩みや不安をより深く理解することができます。メールでは書ききれない詳細やニュアンスを直接聞き出せるため、相手の本音や背景を把握しやすいです。そのうえで、自社の商品やサービスがどのように役立つかを具体的に説明することができ、顧客に「自分のために提案してくれている」という実感を与えられます。
また、声を通じてやりとりすることで、人間的な信頼感が生まれるのも電話の強みです。メールでは冷たい印象になりがちですが、声のトーンや抑揚で誠意や親しみを伝えることができます。その結果、顧客は安心感を持ちやすく、契約や購買につながる確率が高まります。
さらに、電話では相手の反応をその場で確認しながら話を進められるため、提案内容を柔軟に調整できます。顧客が戸惑っている様子を感じ取れば、より丁寧に説明を補うこともできますし、逆に興味を示した部分を掘り下げることで関心を高めることも可能です。臨機応変な対応ができる点は、メールでは決して得られないメリットです。
つまり、電話対応は単なる情報伝達の手段にとどまらず、顧客理解と信頼構築のための強力なツールであるといえます。
アポイント獲得も電話が便利
顧客対応の最終目的は必ずしも即座に契約を取ることではありません。むしろ、まずは一度会って話す「アポイント」を獲得することが現実的な第一歩です。その点でも、電話は非常に有効です。
メールで日程調整を行うと、どうしても複数回のやりとりが必要になります。「ご都合はいかがでしょうか」と送れば、「この日は都合が悪い」と返ってくる。その間に時間が経ち、顧客のスケジュールが埋まってしまう可能性もあります。一方で、電話であればその場で日程を決められるため、スピード感を持ってアポイントを確定できます。
さらに、電話では「契約まではまだ…」と躊躇している顧客にも、「せめて一度お会いしてお話しませんか」と柔らかく提案することができます。実際に会って説明することで信頼感を得られる可能性は高く、まずは会ってもらうという小さな一歩を踏み出してもらうことが重要です。電話なら、このような「前向きな一押し」を行うことができます。
また、電話でアポイントを取ることは、顧客に「自分を重視してもらえている」という印象を与えます。わざわざ時間を割いて直接連絡してくれた企業に対しては、心理的に好意を持ちやすくなるため、会うこと自体へのハードルが下がります。こうした細やかな印象の積み重ねが、契約につながる大きな要因になります。
お問い合わせフォームからの顧客は、すでに一定の関心を持っている層です。その段階で迅速に電話をかけ、アポイントを確保することが、結果的に成約につながる可能性を大きく高めます。
こんなお客には配慮しよう
ただし、電話対応が常に正解というわけではありません。顧客の生活環境や属性に応じた配慮が必要です。たとえば、平日の昼間に会社員へ電話をかけると、仕事中に迷惑をかけてしまい、むしろ印象を悪くする可能性があります。このようなケースでは、まずはメールをベースにやりとりし、適切な時間帯をうかがうことが望ましいでしょう。
また、電話をかける際には、時間帯や頻度に注意することも欠かせません。何度もしつこく電話をしてしまうと逆効果になりかねません。適切な回数と間隔を守りつつ、顧客の都合を尊重した対応が必要です。電話対応の効果を最大限に発揮するには、このような顧客属性への配慮や連絡手段の柔軟な使い分けが欠かせません。
ここで、お問い合わせフォームに年齢や職業など、ある程度の属性を入力してもらえるよう設計しておけば、連絡方法や時間帯を工夫できます。学生や主婦層には昼間の電話が適していても、会社員には夕方以降や休日にアプローチした方がよいなど、顧客に合わせた対応が可能になります。
さらに注意すべきは、メールが必ず届くとは限らないという点です。入力されたメールアドレスに誤りがある場合や、受信側の設定で迷惑メールに振り分けられてしまう場合があります。そのため、一定期間レスポンスがないときには、電話で確認を入れることが重要です。問い合わせをした顧客にとっても、企業からのフォローがあることで「自分を大切にしてくれている」と感じやすくなります。
まとめ
お問い合わせフォームは、顧客が気軽にアクセスできる便利な入口です。しかし、フォームを通じたメール対応だけでは、顧客の「面倒くさがりな心理」に阻まれて、成約につながらないことが少なくありません。そこで重要となるのが、企業からの積極的な電話対応です。電話はスピード感を持って相手の意見を引き出し、信頼感を築くことができます。さらに、その場でアポイントを確保し、契約へと進む可能性を広げる力があります。
もちろん、顧客の立場に配慮しなければ逆効果になる場合もあります。適切なタイミングや手段を選びつつ、電話を効果的に活用することが求められます。お問い合わせフォームと電話を組み合わせた対応は、顧客満足度を高め、ビジネスの成果につなげるうえで非常に有効な戦略だといえるでしょう。企業にとっては少し手間のかかる対応かもしれませんが、その積極的な一歩が競合との差別化を生み、長期的な信頼関係を築く大きな力となります。
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