インターンにも最低賃金の支払が必要。例外は?

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ブラック・インターンが話題

昨今、就職活動におけるインターンの比重が高まり、実際に企業で働いてみて採否を決めるケースが増えています。これは合理的な制度ですが、労働であるにも関わらず最低賃金が支払われず、「ブラック・インターン」と呼ばれ、知らずの内に企業の評価を落としてしまっているケースも散見されます
そこで本稿では、採用活動としてのインターンと最低賃金との関係について説明します。

未払給与請求されると回避は困難

最低賃金法は、パートタイムも含めて、原則として一律に各都道府県の最低賃金の支払いを強制しています。
例外は、障がい者など、最低賃金の働きが困難な人について、就職の道を閉ざさないようより低い賃金での雇用が容認されています。
インターンを採用活動の一部と捉えると、無賃金でもよいという考えに近づき、インターンの能力が低いと考えると、最低賃金法の例外にあたると考えがちですが、インターンについて最低賃金の支払を免れる理屈はなかなか成り立たず、あまりに安い金額でインターンを受け入れていると、不採用者から集団訴訟を提起されてしまうリスクが生じます

基本的にすべての労働者に最低賃金の支払が必要

正社員であっても、パートタイムであっても、最初は仕事を教えなければならず、教える時間にも給料は発生します。また、仕事が遅かったり、精度が低くても最低賃金の給与は支払わなければなりません。身体障がい者など明確に、健常者と同じ働きができない方を除き、仕事をさせる以上は最低賃金は支払わなければならないと認識しておくべきでしょう。

労働ではなく意見交換セッションを増やす

多数のインターンを受け入れ、とても全員に最低賃金を支払えない、という企業もあるかと思い、そうした企業ではいかにインターンの給与を減らすか考える必要があります。
ここで、労働を課すのではなく、自由参加の意見交換セッションの割合を増やすことが考えられます。
インターンの目的は、能力を見極めて即戦力を発掘することよりも、コミュニケーション能力、特に分からないことを周囲に聞いてうまく解決する力を見極めたいという意向が強くなります。
そこで、自由参加の意見交換の場を多く設けることで、その候補者がどの程度の素養とコミュニケーション能力を有しているか把握でき、意見交換であって仕事ではないため、給与も発生しなくて済みます。仕事に対する姿勢や実践力も見たいため、インターンをゼロにするわけではありませんが、その割合は今後減らして行く企業が多くなりそうです。

まとめ

相手を拘束して一定の仕事をさせる以上、それが相手のための教育であったり、その成果を直接業務に活用しない場合であっても最低賃金の支払は必要です。当研究所では労働問題の経験豊富な弁護士・公認会計士が御社を全方位でサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。

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