職場での呼び名は本名ではなくあだ名か背番号制

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職場で本名を知られるとプライベートでも追われる

近時、カスタマーハラスメントが大きな問題となっていますが、このハラスメントは、職場だけにとどまらないことが大きく問題視されています。
例えばサービス業で接客に不満を感じた顧客が、接客担当の名札を写真撮影し、その従業員のSNSなどを暴いて公開するなどのプライベートにまで及ぶ嫌がらせが従業員を苦しめています。そこで今多くの企業で取り入れつつある本名を隠す取り組みを今日は紹介します。

苗字で呼び合う

本名、特に氏名とおおよその年齢がわかると、SNS等で個人を特定されるおそれが高まります。そこで、接客時の名札には苗字だかしか書かない、という企業は増えています
同じ苗字は国内に何人もいることが多く、確率的にこれで職場外で個人を特定される危険はかなり低減されます。

ハンドルネームでも番号でもいいんじゃない?

あまりみかけない苗字の人は、苗字だけ知られても個人特定されてしまうおそれがあります。
それならばいっそ、職場では本名ではなく、あだ名や番号で呼び合うのも合理性があります。
学校ではクラスメート同志、本名や苗字よりもあだ名で呼ぶケースも多いですし、SNS等にアカウントを持っている者においては自分の好きなハンドルネームで呼ばれる方が心地良いかもしれません。
また、スポーツ部などではしばしば各選手に固有の背番号を与え、監督はその番号で選手を識別するため、背番号制で誰が誰かを特定するシステムにも合理性があります

注意点

こうして、個々の社員を本名や苗字ではなく違う言葉で識別することは、カスハラ対策のためにメリットがあるのですが、いくつか注意点があります。
例えば、SNSで使用しているハンドルネームをそのまま使うと個人特定されやすくなりますし、誕生日や子供の名前を活用するとパスワードを盗まれやすくなる危険が生じます。
また、総務や経理は、各従業員を本名で識別して適切な事務処理を行う必要があるため、この点で事務手続き上の不便もあります。

まとめ

カスハラ対策は重要で、職場に遊びを持たせるためにも、あだ名などで呼び合うことは大きな意味があります。ただ、デメリットもあるため、専門家に相談しながら慎重に制度設計すべきです。
当研究所では、カスハラ対応経験豊富な弁護士・MBAが御社の業務体制について総合的に対応します。下記よりお気軽にご相談ください。

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