二度と借金で失敗しないために、家計簿を作れるようになろう

事業再生

家計簿を作ることの重要性

破産手続のための書類作成をサポートする際、借金が増えていった経緯の説明書は弁護士が事情聴取して文章にまとめる方が効率的ですが、家計簿は弁護士が1から作ることはできません。ある程度、かたちになった家計簿を作成してくれれば、いくつかやりとりをして修正すれば家計簿としては仕上がりますが、全く形になっていない、自分の収支を全く再現できない人が意外にたくさんおられます。

申し訳ないですが、自分の収支を把握・管理できないようでは、破産で一度借金をチャラにしても、またずるずると借金を積み重ねてしまうのではないでしょうか

そうならないためには、最低限でも簡易な家計簿はつけられるようになり、自分の収支を把握して、支出をコントロールできるようになる必要があります。

過去の再現よりは、将来の予算管理

家計簿を作成するというと、レシートをすべてとっておき、これをすべて記帳して集計して作る、と考えがちです。しかし、このような過去の事実の把握は、主たる目的ではありません。もちろん、自身がどのようなお金の使い方をしているかさえ理解していないような場合、まずはこれを理解することが大事であるため、正確な家計簿を作る必要があるかもしれません。

しかし、多くの人は、いつのどの支出がまずかった、やめておけば良かった、ということは何となくは理解されています。借金を抱えた人が、生活を再生し、健全に過ごしていくためには、過去の把握よりも将来の予算管理のほうが重要です

例えば、生活費として月に15万円しか使えない場合、1日あたり5000円しか使えません。しかし、1か月の中では1万円以上使う必要のある日もあるでしょう。そのため、特に必要のない日の支出を抑える、このように、予算の範囲内でやりくりする癖をつけることが大事で、家計簿作成はその手法として有効です。

家計簿をつけるとできるようになること

家計簿をつける意味がこのような点にあることを考えると、家計簿は決して1円単位で作成してきちんと合わせなければならないものではありません。100円単位や千円単位でざっくると把握できていれば十分でしょう。

家計簿をしっかり把握できると、「先日少し使いすぎたから、今は節約しなければだめだ」「最近、節約がきちんとできていて、今月大きなイベントもないから少し自分にご褒美をあげてよい」といった判断が正しく行えるようになります

また、おおよその家計簿が把握できていれば、今、自分の財布や通帳にいくらお金が残っているか、感覚的に把握できるようになります。そうすると、支出の判断もしっかり行えますし、自身の感覚と財布の実際の中身が大きく異なった場合、何か間違いがあったことを把握することができます。

まとめ

破産手続をする際には、家計簿を2か月分作る必要があります。これを決して面倒くさいものと思って適当にやってはいけません。二度と借金で苦しまないために乗り越えなければならない壁です。

個人の家計簿作成は、企業を管理する経営者にも大事なスキルです。企業の経営者自身が企業の財務書類を作る必要はありません。しかし、企業の出費や予算管理は的確に行う必要があり、これを感覚的に行うためにも、自身の家計簿作成は大事な基礎トレーニングになります。

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