ドラマは二次著作。その作り方のポイント

知財戦略

セクシー田中さん事件はハッキリP・脚本家が悪い

セクシー田中さん事件の報告書が日テレからあがりましたが、まだまだ騒動は収まらなさそうです。
本質的にこの事件で激痛なのは、Pや脚本家があまり罪悪感を感じていなさそうなところで、この二者が猛省しなければ解決はありません
本稿では原作ドラマ化の法律問題を中心に解説します。

ドラマは原作とは異なる二次著作

まず、ドラマは原作とは異なる二次著作です。原作の内容をそのまま台本の書き出して役者に演じさせてもおよそ見るに堪える演劇にはならないでしょう。カメラワークなどの小技も含め、ドラマはもはら原作とは異なる著作物になります

人気作品は原作を尊重

既に相当の人気を得ている作品ではドラマ化にあたり改変はほとんどなされません。原作の読者それぞれが好きなシーンやセリフを抱えているため、下手にこれを変えるとクレームにつながるためです。
Pや脚本家の仕事は、原作の人気ポイントを確実に把握したうえで、それをどう視聴者の満足するかたちで伝えるかになります。

不人気作品は自由改良できるという空気

逆に、原作がそれほど有名でない場合、Pや脚本家が、視聴率を上げるために自由に改変して良いという「空気」があったのが事件の根幹のようです。あくまで「空気」であり、原作をベースに二次著作を作るには、多少の改変は認められるにせよ、重要部分の変更は許されず、原作者が改変を禁止した重要部分を勝手に改変することは許されません

争点は「重要部分であったか」どうか

本件の争点は、作品の重要部分の改変があったかどうかです。勝手なシナリオが追加されて本編と矛盾するような改変は許されませんし、報告書上では、主人公の友達の境遇についての改変の言及もありましたが、このような内容は本編への影響度が高くなければドラマ化の過程において重要部分でない可能性もあります

まとめ

著作権は大変複雑な法律であるため、ほとんどの方は正確に理解しておらず、弁護士も正確に取り扱える方は限られています
当研究所では、損害賠償額のインパクトまで算定できる知的財産の専門家である、弁護士・弁理士・行員会計士が御社の知財問題を的確に交通整理します。下記よりお気軽にご相談ください。

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