オープンクローズ戦略は経営・法律・会計の統合スペシャリストに相談を!

知財戦略

オープンクローズ戦略の重要性

研究開発を行う企業は、多大な費用をかけて、成果の確約のない研究開発に投資しています。少しでも早く、少しでも大きく投資を回収したいのは当然で、大事な経営戦略になります。研究開発の成果としては様々な知識やノウハウが得られますが、これを公開するか、自社内に秘匿するか、オープンクローズ戦略が非常に大事になります。

オープン戦略の基本

オープン戦略とは、研究開発の成果である情報を公開したり、他社に利用を許可したりする、経営上の方策です。これにより、市場拡大や技術分野の進歩、製品を活用する基盤の整備、サービスの普及、自社製品の仕様を主流規格にすること(デファクトスタンダード化)などの効果が期待できます

他方で、その分野における価格競争が進む、利益率が低くなりやすいといった注意点もあります。

クローズ戦略の基本

クローズ戦略とは、技術や情報を秘匿する方策です。秘匿すると言うと、特許出願もしないと誤解されがちですが、特許出願をしたうえで、他社にはライセンスしない、あるいは高額なライセンス料を設定する場合を含みます。このクローズ戦略は、自社の競争優位性を確立することを目的とします。

クローズ戦略では、その情報や競争分野における独占を狙いとします。これにより、他社に対して競争で有利となり、利益を最大化するのが目的です

ただし、情報漏えいや権利侵害に対し、入念な対策が必要となり、厳重な機密管理が必要となります。

両戦略の使い分け

オープンクローズ戦略では、自社の技術の一部を公開することで市場への他社の参入を誘導します。その一方で、自社が武器とするコア技術は秘匿として独占します。これにより市場は拡大し、イノベーションが誘発され、ユーザビリティも向上し¥させつつ、自社の製品やサービスの独自性を保ちながら、利益拡大が狙えるのです。このようにオープン領域とクローズ領域を区切るためには、オープンにする領域に対して影響力を持つ自社独自のコア技術を特定することが重要となります

ここで、一度情報をオープンにすると、事後的にこれをクローズにすることは非常に困難です。そのため、クローズ戦略からオープン戦略への移行は可能な反面で、オープン戦略からクローズ戦略への移行は事実上無理であると考えるべきです。こう考えると、いずれの戦略を採用するかについては、まずクローズ戦略を採用して、特許出願はしつつもこれはライセンスしない、と日本企業はなりがちですが、休眠特許は利益を生み出さず、研究開発投資の回収に貢献しませんので、戦略の採用にあたっては、少し強気に考えた方がよいかもしれません。

まとめ

以上のように、企業の研究開発投資の回収のためには、オープンクローズ戦略の判断が非常に大きな意味を持つこととなります。この判断をするためには、企業活動の根幹である経営理念や目標と整合しているか、会計的に費用対効果の見合うかなど、経営・会計の観点での検討が必要となり、もちろん、法律的な検討は不可避です。そのため、経営・会計・法律を同時並行的に検討可能な専門家に相談するのがベストでしょう。

当事務所では、経営・会計・法律を同時平行で検討できる経験豊富な専門家がこの問題に対応いたします。まずは、下記よりお気軽にご相談ください。

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