社内の紛議を収めるための勘所

顧問契約

ジェットスター社が社員からの要望を厄介扱いして敗訴

先日、ジェットスター社にある敗訴判決が出ました。従業員からの不満の申立てにきちんと対応せず、逆に申立ての繰り返しをハラスメントと認定してその従業員を不利益に扱ったことに対する損害賠償が認容されました。
多様な従業員がいる以上、様々な思いが錯綜し、時に相手にできない要望が出てくることもありますが、このケースでの会社の対応には問題があります。
そこで本稿ではこうした社内紛議の扱い方を解説します

紛議の取り扱いは慎重に

会社を運営する以上、様々な要望や申立てが従業員があるのは当然です。社長がすべて対応するわけにはいかないので、そうした紛議を調整する担当者が指名されるのですが、担当者が面倒くさがったり、対立者の一方に利害関係があるような場合、きちんと調整がされなかったり、不公平な対応がなされる可能性があります。
そのため、まずは適切な担当者を指名したうえで、慎重に調整に取り組むことが不可欠です

従業員に要求できる我慢には限界がある

多くの場合、こうした要望や申立ては感情的であったり性格の違いに起因するもので、特別な取り扱いはできず、当事者に我慢を強いるケースが多いでしょう。
しかし、最初から内容もふまえずに我慢を強いていると、我慢には限界があり、いずれ爆発してしまいます。「我慢させるありき」ではなく、そのケースで最善の収め方は何であるかを突き詰める必要があります。

情報の外部流出が最悪

我慢を強いられた当事者がすることは、企業外部に助けをもとめて、紛議の内容を流出させてしまうことです。これが会社にとって大きな損失となる可能性が高く、こうした情報流出は抑える必要があります。その情報流出を抑えるためには、当事者の話を公平な立場で聞き、共感できる部分はきちんと共感し、しかるべきコミュニケーションを果たすことです。

「再発防止」を落としどころにもっていく

不満を抱えている従業員に対し、金銭的解決や、相手方への罰の適用は難しくても、ゼロ回答ではその従業員は不満をさらに抱えてしまいます。
そこでできる対策としては、従業員が不満を抱えた要因を把握し、その再発防止策を講じること。例えばハラスメントには該当しないが不愉快感を誘発する上司がいたのであれば、その上司に「以後、言葉遣いに気をつける」と言ってもらうことで解決できるケースも多いです。
こうした再発防止の約束で、従業員の不満を解消することも大事な手法です。

まとめ

ジェットスター社は従業員からの不満申立を甘く扱ったため、社内のいざこざが外部流出し、訴訟でも敗訴しました。大切なのは不満を抱える従業員の言い分をきちんと聞き、できる範囲でその思い答えることです
当研究所では、揉め事の仲裁経験豊富な弁護士が御社の社内対応の問題点を抽出し、対応策を一緒に考えます。下記よりお気軽にご相談ください。

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