人手不足の救世主?「スキマバイト」を活用するための事業者側のポイント

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人手不足の中で短時間アルバイトの活用が進む

人手不足が深刻な中、どうしても人が足りない部署は短時間労働者であっても採用して補充する必要があります。そんな中、昨今「スキマバイト」という短時間労働が流行しつつあり、そうした短時間労働者を採用して人が足りない部署を埋めることは一策です。しかし、これが機能するためには、そう簡単な話ではなく企業に一定の負担が生じます。
そこで本稿では、このスキマバイト活用における事業者側の注意点を整理します

詳細だがわかりやすいマニュアルは必須

短時間労働者が応募する目的は、短時間であまり手間を要さずに稼ぐことで、採用にあたって詳細かつ長時間の教育訓練をするようではすぐに辞退されてしまいます。
というわけでスキマバイトのような短時間労働者には複雑な仕事を任せることはできず、何をすべきかはっきりしていて指導の必要もない単純な仕事しか任せられない点に注意が必要です。
その際に、成果物に細かい仕様があったり、サービス方針が決まっているような場合は、逐一、口頭で説明できませんので、内容の網羅性のある詳細なマニュアルを用意する必要があります。詳細でいて、かつ、労働者がすぐに理解できるわかりやすいものである必要があるため、このマニュアルを作るのは一苦労だということを念頭に置く必要があります。

ウーバーイーツの遅延が増加

近時、ウーバーイーツの配達に遅れが目立ち、店側からのキャンセルさえ発生することが多くなっています。
コロナ期は仕事がない人も多く、巣籠もり需要も潤沢で多くの方が配達員として喜んで働いていました。しかし、同様のビジネス参入が増加したことや、労働者目線では、需要減少により仕事があったりなかったりで、待ち時間も長く時間効率が悪いことから配達員離れが加速しています
配達員のような短時間バイトはいつでも集められるのがウーバーイーツのビジネスモデルの大前提でしたが、その前提が崩れ始めているのです。

働き手がおいしいと思える労働条件でなければならない

上記のウーバーイーツの例で配達員を維持するためには時間単価を上げざるをえません。労働者目線で割に合わない仕事はどんどん敬遠されていきます。賃上げせずに他の労働条件の改善で労働者を満足させることができればより良いですが、今の時代、それはなかなか難しく、競争が厳しい中でも短時間労働者の時給は上げていかなければ、労働者をつなぎとめていくことは難しくなっています

トータルで収支が見合うのか

こうして、スキマバイトの採用は美味しいように見えますが、詳細なマニュアルを作成しなければならないため、既存の従業員の仕事が増加しますし、中長期的に維持するためには賃上げが不可避で費用対効果は決して良いものではありません。
こうした事情も十分に考慮したうえで、収支が見合うかを慎重に見極める必要がありますし、それでも(赤字でも)人の補充が先決であれば、赤字をどのように穴埋めするかを考えなければなりません。
採用は簡単かもしれませんが、事業として成功するかは未知数で複雑であることは理解したうえで検討すべきでしょう。

まとめ

人手不足だから短時間バイトで凌ごう、はそこだけ切り取るとナイスアイディアに思えるかもしれませんが、本稿で挙げたようなポイントに注目すると費用対効果は悪く事業活動に悪影響を及ぼすリスクもあり得ることがわかると思います。
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