拠点分散がリスクマネジメントになる理由

リスクマネジメント

JFAが拠点移転の理由をリスクマネジメントと公表

JFAが自社ビルを処分し、賃貸で拠点を分散することを発表しました。これに伴い、森保監督は東京ではなく千葉を拠点に活動することになるようです。JFAはこれはリスクマネジメントになると説明していますが、本稿では拠点の分散がなぜリスクマネジメントになるか整理します。

拠点集中のメリットは効率化

自社ビルを持つことは財務・税務的にメリットのデメリットもあるのですが、拠点集中の一番のメリットは効率化です。

自社ビルがあり、全部門が同じビルで働いていると部門間の連携がスムーズで、情報漏洩のおそれも低減できます

これは製造業では特に顕著で、大規模工場を集約すると、人材や機械の共有も容易ですし、完成品の次の部門への移行もスムーズです。結果的に最終製品を安く早く仕上げることができるでしょう。

拠点集中のデメリットはイレギュラー対応

製造業の向上は集約するメリットが大きいのですが、デメリットも当然あります。例えば電力の需給調整により、使用可能な電力が制限された場合、工場全体でスラックが発生してしまいます

また、拠点が1つに絞られると、効率性の観点から、顧客も従業員もその近所に求めがちになり、これはビジネス全体を見ると非効率になります。

拠点分散の効果

今回、JFAが拠点を分散するのは日本全国にサッカーサービスを行きわたらせたいという思いがあるのでしょう。大会開催等を考えると拠点は全国に多い方が効率的ですし、森保監督も全国に出張するため、拠点は多いほうがよいです。

製造業においては集中のメリットが大きいのですが、分散のメリットもあります。地方に分散した方が製品の知名度が広まり販促がスムーズに進みますし、人材確保が困難な今の情勢では地方に工場を置いた方が人材確保が進む可能性があります。距離が離れることについては運輸コストは発生しても、管理職に関してはテレワークの活用等で負担を軽減できることも大きいです。

まとめ

拠点の集中、分散ともにメリット・デメリットがあるのですが、リスクマネジメントの観点からすると、リソース(人材・電力等)が不足して全社的にフリーズするのが最悪で、リソースを分散しながら、分散のメリットを生かしていくのがより良いと考えられます。

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