事業計画は厳しめに作成せよ

起業

倒産理由に見る事業経営の誤算

私は弁護士であるため倒産事案にもしばしば関与します。倒産理由を見ると、今はコロナも絡んだ売上減少が多いのですが、物価高等のコスト増加、それに人材不足が大きく伸びています。運輸関係など、しんどい仕事や宿泊業など忙しさの波の大きい業種はどんどん敬遠される傾向が高まっています。

起業時に倒産の話など、縁起が悪いのでしたくもありません。しかし、起業の失敗リスクを考慮する場合、新聞等で倒産を報道された企業は何を失敗して倒産したのか、考えてみるのも「生きた教材」となります。

事業計画の重要性

起業時には事業計画を作成します。事業計画は将来予測であるため、正確に作成することは困難です。しかしだからといって適当に作ってよいものではなく、テストのように60点程度の無難な内容を書いておけば合格できるというものでもありません。

事業計画は、いざ事業を始めた場合、自分への目標の提示手段となります。予め何人お客がつけばトントン、目標利益を達成するためには何人の客が必要だと整理しておくことで、その数字を目標に事業に取り組めるのです。事業が始まってしまうと、こうした細かい考えをめぐらすことは難しく、だからこそ、事前に考えられるだけ考え込んでおく必要があります

事業計画の数値は厳しめに

冒頭の倒産理由の話に戻ると、倒産した要因の多くは、事業計画通りに進まない、計画上の誤算です。予算内でコストがおさまらない、客単価が下がった、離職等により人材不足に陥った、すべて事業計画の数値より実際値が悪化したことに伴う事象です。

昨年や円安や物価高などいろいろ想定外の出来事がありました。こうした事象を年度始めの時点で予測できた方はほとんどいないでしょう。しかし、事業を遂行するならば、こうしたイレギュラーにも対応しなければなりません。イレギュラーに対応するためには、事業計画時に数値を保守的に、厳しめの数字を入れておくことが有効です

小細工は結局通用しない

人材不足の話を掘り下げると、要はブラック企業にしがみつく従業員が減ってきたということです。少し前までは、失職をおそれてブラックな職場に耐える人が多く、だからこそ企業側は従業員に厳しい要求ができたのですが、こうした人が少なくなり、ブラックな職場が淘汰されつつあります。

立場の優位を生かして無理を相手に押し付けても、逆に押し付けられても、そうした状態は長く続かないということ。小細工を抜きにして成功法で事業計画を練りこむ必要があります

まとめ

不安定な世の中だからこそ事業計画をしっかり考え、練りこむことの重要性が増しています。簡単に他の資料の数字を転記するのではなく、本当にその数字で大丈夫なのか、自分に厳しく作りこむ必要があります。

当研究所では、経営に詳しい弁護士・公認会計士・CFPが御社の健全な事業計画作成をお手伝いいたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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