サイゼリヤは単にファミレス界で価格競争しているわけではない
サイゼリヤは、お手頃価格でお腹いっぱい食べることができ、重宝している方も多いと思います。いわゆるファミリーレストランのカテゴリーの中では安さを訴求した戦略を採用してるように見えますが、実はそうではありません。
本稿では、サイゼリヤの真の戦略とその見据えるターゲット層をふまえて、どこまで付加価値を作りこむかを紹介します。
サイゼリヤの戦略はファーストカジュアル
サイゼリヤはファミリーレストランのカテゴリーの中で戦略を決めているのではなく、あくまで飲食業界の中での立ち位置を考えています。その立ち位置が「ファーストカジュアル」。ファーストフードのように気軽に注文できて提供も早い、しかし、ファーストフードのように回転重視ではなく、店舗でゆっくり食事を楽しんでもらえることを目標とし、ファーストフードとファミレスの中間的なポジションで双方と差別化を試みています。
ファミレス業界の顧客層の変化
ファミレスの利用者は近年、大きな変遷があると言われています。「ファミリーレストラン」の名称の通り、本来は家族連れで食事を楽しむ場で、大人も子どもも楽しめるようメニューを豊富にそろえるのが定番でしたが、子どもの数が減り、嗜好も多様化する中で、家族連れがファミレスを利用する機会が激減したと言われています。
代わりに増加しているのは会社員などの一人飲みや、学生の勉強のための利用。後者は客単価が小さく「招かれざる客」である反面で、前者はそれなりの回転率でそこそこのお金を落としてくれるため、お酒を提供する飲食店は一人飲み需要の取り込みに力を入れています。
メニューを絞る
こうして家族連れの客が減る中で、サイゼリヤはメニューの絞り込みを進めています。メニュー多いと在庫も増え、食事の提供時間も長くなってしまうためです。
主たる顧客が一人飲み(あるいは数名の仲間でのちょい飲み)である以上、粗利率が良く、調理の手間もあまりかからないメニューをそろえれば必然的に利益率は良くなるという仕組みです。
付加価値の作りこみの程度がわかる
こうしてターゲット層が絞れれば、付加価値をどこまで高めればよいかもわかります。飲食業の基本は付加価値を高めて値上げすることですが、サイゼリヤの場合、ちょい飲み需要に適した価格を先に決め、そこに合わせて付加価値を調整することができ、過剰な投資や従業員教育などを回避することができます。
まとめ
値上げ・賃上げの進む中で価格競争は好ましくありません。サイゼリヤは決して安売り競争をしているのではなく、自社のポジショニングをしっかりとして、そこから適切な付加価値の作りこみを行っています。
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