外部専門家は使い方次第で成果が全然異なる【MBA×中小企業診断士が解説】

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外部専門家を活用すれば企業価値が大きく伸びる

企業経営において、自社のリソースだけで全ての活動を完結させることは現実的ではありません。たとえば、法務、財務、IT、マーケティングといった分野は専門性が高く、限られた人材で網羅するのは困難です。そのため、優秀な外部専門家を上手に活用することは、企業の活動領域を大きく広げるための有効な手段となります。外部専門家の知見を取り入れれば、これまで自社内では不可能だった施策を実行できたり、業務の効率化や新しい収益機会を見つけることが可能になります。つまり、外部専門家の活用は企業の生産性向上と価値向上に直結します。
一方で、外部専門家の登用は計画性を欠くとむしろ逆効果となります。単に「専門家なら何でもできるだろう」と安易に依頼すれば、期待した成果を得られずコストばかりが膨らんでしまう危険性があります。また、専門家の能力を引き出すためには、企業側にも依頼内容の整理や目的の明確化といった準備が欠かせません。活用の仕方を誤れば、せっかくの専門的知見が社内に浸透せず、短期的な支出に終わることも少なくありません。
したがって、外部専門家を活用する際には、企業が求める成果を見極め、どのように連携するかを慎重に設計する必要があります。外部専門家は魔法の杖ではなく、あくまで適切な使い方をしてこそ効果を発揮する存在です。外部の力を正しく取り入れる姿勢が、結果的に企業の競争力を高め、持続的な成長につながっていきます。そこで本稿では外部専門家の正しい活用方法を紹介します。

企業目線でやって欲しいことの依頼はミスマッチを生じることも

外部専門家に依頼をするとき、企業側が「やってほしいこと」を詳細に指定するケースは珍しくありません。しかし、これは一見合理的に見えて、実際にはミスマッチを生じる可能性が高い依頼の仕方です。企業内で「誰かがやらなければならない」と認識されながらも担い手が決まらない仕事を、外部専門家に押しつけるように任せることも同様です。「優秀だからできるだろう」という発想で任せても、その専門家の強みと一致していなければ満足のいく結果は得られません。
重要なのは、企業が本当に解決すべき「課題」が何であるかを見極めることです。課題の解決手法は必ずしも一つではありません。しかし企業の内部で「こういう手法で解決してほしい」と具体的な方法まで決めつけて外部に依頼すると、解決策の幅を狭めてしまうことになります。その結果、せっかく豊富な知見を持つ専門家に依頼しているにもかかわらず、専門家が持つ多様なアプローチを活かせなくなってしまいます。
外部専門家を活用する際は、「何をやってほしいか」ではなく「どういう結果を望むか」を伝えることが肝要です。つまり、企業としてどのような姿に変わりたいのか、そのために何を達成する必要があるのかを共有し、専門家の視点から実現方法を提案してもらうのが望ましいです。そうすることで、依頼内容と専門家のスキルが合致し、成果を最大化することができます。

得意な分野を任せる

外部専門家と一口に言っても、それぞれに得意とする分野があります。コンサルタントであれば経営戦略に強い人もいれば、組織改革や人材育成に長けた人もいます。弁護士であっても企業法務、労務、国際取引といった得意領域はさまざまです。したがって、外部専門家を有効に活用するためには、その人が持つ専門性を十分に理解したうえで、得意分野に絞って任せることが重要です。
よくある失敗例として、「難しいから」「社内で対応できないから」という理由だけで丸投げすることがあります。しかし、専門家の強みと合致していなければ、思ったような成果は得られません。外部専門家を採用する時間やコストは有限であり、費用対効果を最大化するには、どの業務を依頼すべきかを精査しなければなりません。
さらに注意すべきは、「時間が余ったから他の業務も任せよう」という発想です。一見、効率的に思えるかもしれませんが、その業務が専門家の得意分野でなければ効果は限定的です。むしろ費用対効果を悪化させる要因になります。優秀な人材を確保できると「せっかくだから長時間活用したい」という心理が働きますが、専門分野以外に投入しても大きな成果にはつながりません。
外部専門家の力を最大限に活かすには、的確な業務設計が求められます。依頼範囲を狭めるのではなく、むしろ「ここで最大の効果を発揮できる」という部分に集中させることが必要です。そのためには、依頼前に専門家の得意領域を確認し、自社のニーズと照らし合わせる丁寧なプロセスが不可欠なのです。

担い手の決まらない仕事は社内で解決せよ

企業活動には、必ずしも専門的な知識を必要としないが、誰かがやらなければならない業務が存在します。例えば、会議資料のコピーや備品の整理、簡単なデータ入力など、機械的かつ雑務的な仕事がこれにあたります。こうした業務は担当が決まりにくく、つい外注に頼りがちですが、実際には社内で処理すべき性質のものです。
外部専門家を活用する本来の目的は、自社に不足している高度な知識や経験を補うことにあります。ところが、専門性の低い業務を外部に任せてしまうと、そのコストは企業の負担に直結します。専門家の人件費は安くはなく、その割に得られる効果が小さいため、費用対効果が極めて悪化します。結果的に外部活用そのものへの不信感を招き、本来期待できる効果を見失う危険があります。
解決策としては、こうした業務は社内で持ち回り制にする、あるいは手順を簡略化して効率的に処理できる仕組みを整えることです。「誰もやりたがらない」ことと「誰もできない」ことは全く異なります。専門性を必要としない仕事は、必ず内部で対応すべき範疇にあります
外部専門家を「便利屋」として扱うことは避けなければなりません。専門家のスキルを最大限に発揮させるためにも、担い手不在の雑務は社内で完結させ、外部には真に価値を生む業務を依頼する姿勢が重要です。これが、結果的に企業全体の効率性と競争力を高めることにつながります。

中小企業はオールラウンダーに丸投げも一策

大企業と中小企業では、外部専門家の活用方法に大きな違いがあります。大企業は資金や人材が豊富であり、必要に応じて複数の専門家を分野ごとに登用することが可能です。しかし中小企業では資金やリソースが限られており、多くの専門家を同時に起用するのは難しいのが現実です。
そのため、中小企業では「オールラウンダー型」の専門家に依頼するのも有効な戦略となります。オールラウンダーは特定分野で突出した専門性には欠けるものの、幅広い分野に対応できる柔軟性を持ちます。これにより、限られた予算と時間のなかで複数の課題を一度に解決でき、費用対効果や時間対効果を高めることができます
もちろん、専門性の深さを犠牲にする場面も出てきますが、それ以上に「総合的に整える」という効果を享受できる点が大きいのです。特に、経営資源の少ない中小企業にとっては、スピード感を持って多様な課題に対応できることが重要であり、万能的に支援してくれる人材の存在は頼もしい武器になります。
重要なのは、自社の属性と課題に合った使い方をすることです。大企業と同じように分野別の専門家を多数起用するのは非現実的です。むしろ、自社の制約条件を踏まえ、オールラウンダーを起用して全体を底上げする発想が中小企業には適している場合が多いのです。外部専門家の選び方は、企業の規模や状況に応じて柔軟に判断することが求められます。

まとめ

外部専門家の活用は、企業にとって大きな可能性を秘めています。しかし、その成果は一律ではなく、使い方によって全く異なるものとなります。自社の不足を補うために専門家を登用するのは有効ですが、依頼内容や活用方法を誤ればコスト負担ばかりが増し、成果は限定的になります。
最も重要なのは、外部専門家を「どう活かすか」を企業側が明確に意識することです。単なる便利屋ではなく、自社の成長や課題解決に直結する役割を担ってもらうためには、専門性を正しく見極め、適切に依頼する姿勢が求められます。企業が自ら主体性を持ち、専門家を最大限に活かせる環境を整えれば、外部の力は大きな推進力となります。
外部専門家を導入することはゴールではなくスタートです。成果を得るためには計画性と戦略性が不可欠であり、それを実現できる企業こそが真に外部の力を味方につけ、持続的な成長を遂げていくのです。
当研究所では、御社に不足した専門領域のスキルを的確に穴埋めさせていただきます。下記よりお気軽にご相談ください。

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