取材は突然に、そして往々にして招かれざるもの
一般人や中小企業は、普通に過ごしている限りメディアには縁がありません。しかし、ある時急にメディアから取材申込が入ることがあります。新商品のリリースや、個人で何らかの好成績を残した場合のようなポジティブな取材はウェルカムですが、こうした取材は往々にして不祥事発生時などネガティブなものが多いです。
不祥事に対するメディアの取材は、その先に批判して悪者にする記事の作成・公表が予定されるもので、誰も受けたがりません。しかし、この対応を冷静に考えてみると、よりよい対応が見えてきます。
取材は絶好の情報発信の機会
メディアの取材は、自身に関する情報が広く社会の目に触れる大きな機会です。批判されると、ネガティブに捉えるのではなく、これを絶好の情報発信の機会であると考え、ポジティブに考えることが重要です。
不祥事の際のメディア対応の成功例として、日大のアメフトの試合中の悪質タックル事件の加害選手の記者会見があります。彼は、記者会見前まで、かなり厳しい批判に晒されていましたが、記者会見において、チーム内で様々な不当なプレッシャーを受け大変な状況にあったことを、真摯な謝罪とともに話したことで、世間は一転、彼の味方に回りました。
ネガティブな取材であっても、その中で、自身に関する前向きな情報を整理してシナリオを描き、メディアへの誠実な対応を通じてそのシナリオの方向で記事を作成してもらうよう努めることが、ただ取材から逃げ回るよりも有効です。
取材対応が失敗に終わるケース
とはいえ、描いたシナリオを取材メディアが使用してくれなかったり、そもそもポジティブなシナリオが描けない場合は、取材に対応しても、叩かれる要因を自ら提供するだけであまり前向きな方向には向かいません。
政治家やタレントが不祥事の際に一切取材に応じないケースは、このように、弁解の余地がなく、前向きな発信ができないからだと推察されます。
そのため、このような場合、取材を断るのがセオリーですが、取材を断ることで事実でない憶測が広まるおそれがあるため、断り方には注意が必要です。
まとめ
ネガティブな取材申込は、第一感、断りたくなりますが、この機会をうまく活用したり、断り方も工夫が必要だったりします。当研究所では、経営やリスクマネジメントに詳しく、取材対応の経験も豊富な弁護士が、御社の情報発信の在り方について広い範囲で相談に対応しております。下記よりお気軽にご相談ください。
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