自動化を予定するなら複雑なサービス体系は悪手

コンサルティング

きめこまかなサービスを提供するつもりが・・

サービス産業は特に、顧客に対する細かやなサービスを差別化の要因として活用したがります。その一例が、複雑なポイントや割引システム。リピーターに様々なかたちで報いたい気持ちはわかるのですが、このようなシステムは、少し先に必ず行き詰まります
本稿ではサービス体系を複雑にすべきでないことをご紹介いたします。

JRの例

近時、JRの窓口が混雑しているとは思わないでしょうか?インバウンドが増加していますが、あまりに長い行列に唖然とした方も多いと思います。
JRは会社自体が縦割りで、サービス体系も複雑できっぷの買い方が難しくなっています。ちょっとしたエリアを跨ぐ普通きっぷを買ったり、予約変更をするのが、券売機やスマートフォンでうまくできないことも多いことから、窓口に人が並ぶこととなっています。
同様のことは、サービスポイントが複雑化したスーパーでも見られるでしょう。

省人化の動き

あるサービスにおける利用者の悩みはマニュアル化が可能で、機械による対応がほとんど可能です。利用者はロボットの指示に従って手続すれば目的を達成でき、そうすると人の役割はロボットが対応できなイレギュラーな業務対応への注力となります。
こうして企業は省人化と収益性改善を目指すものの、顧客の方がロボット対応に満足できず、対人業務を強く求めがちです。
こうして複雑なシステムは、企業側ではすべて対応できていても、顧客側からの要求により、自動化を阻害されがちです。

自動化を意識したシステム深度の設計

今の時代、単純作業のための人材を安くそろえるのはどんどん困難になっており、ロボットによる自動化が不可避です。
しかし、あまりに複雑なサービス設計はこの自動化を阻害してしまうため、収支を考えるのであれば、自動化のできる範囲(深度)までにシステム設計をとどめておくことも大事です。

まとめ

サービスは徹底的に深堀して競業他者相手に差別化したいところですが、自動化が妨げられると大きな損失となってしまいます。これは自社社員の対応力の程度にも依るもので、自社の状況に合わせた対応が必要です。
当研究所では、経営の知見の深い弁護士・公認会計士が御社の戦略設計をサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。

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