円安+インバウンド=商機。しかし気をつけなければならないこと

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円安は一部企業にはチャンス!

円安で苦境だと様々なメディアが騒いでいます。
円安で困るのは輸入依存企業。輸入品を国内で販売する業者を筆頭に、原材料を海外に依存する企業も、コスト高の圧迫を受けています。

他方で、円安がチャンスの企業もあります。輸入に依存しない企業。例えば純国産の和風ホテルや和菓子屋などです。こうした企業は、今はインバウンド客にどんどん商品サービスを売っていくことで大きな収益獲得が得られる期待があります

黙っていても売れる=好況ではない

例えば京都市内の宿泊料は高騰しています。高さ制限で大型ホテルが少なく、需要に客室数が追いついていない京都では、外資系ホテルがどんどん値上げを敢行しており、これに追随して他のホテルも、値上げしても客が来る、という理想的な状況に入っています。

では、これは好況なのかと言われると、そうではありません。供給を需要が上回るので好況だとも考えられがちですが、ここで油断すると、少し先にあっという間に顧客を喪失してしまいかねません

目先の売上よりも顧客定着度が大事

インバウンド客はあくまで円安でお得だから日本に来ているだけで、おそらく二度と同じホテルには宿泊しません。今の状況は、一見客が異常に多くなっている状態です。きちんと接客をこなせば当面の収益は固いですが、将来は何も保障されません。

どんな産業でも、持続可能な営業の源泉はリピート客であり、顧客定着度こそが重視すべき指標です。しかし、この状況で「売れるから」と無暗に値上げすると、顧客満足度が低下し、リピート率が落ちてしまいます。これは短期的な目標しか見ていない失敗事例だと言えるでしょう。

リピーターを集める単純明快な戦略

リピーターを囲い込むためには顧客満足度を高め、口コミでその評価を広めるのがセオリーです。今は国内産業は値上げしても集客できますが、それでは中長期的な目線で必要なリピート客を確保できないのです。

二重価格で、外国人向けは値上げしてもよいかもしれませんが、国内客に対しては対価に見合う満足感を持ってかえってもらわなければ、逆に低評価の口コミが広がって、その先苦労するかもしれません

まとめ

円安はピンチの企業もチャンスの企業もありますが、それさえも短期目線の話で、中長期的に考えると、ただ乗りもされず、値上げもできる、絶妙の値付けとサービス設計が色々と考える余地があると思います。

当研究所では、MBA保持者が経営目線から法律や会計に関する問題を総合的に紐解きます。下記よりお気軽にご相談ください。

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