評価基準がおかしくないか定期的に見直そう

コンサルティング

絶対的な評価基準は存在しない

学業にしても、仕事にしても、評価をしなければいけません。評価をしなければ、さぼる人間も頑張る人間も同等であり、皆前者に流れてしまいます。

公平な評価をするためには公平な評価基準が必要ですが、絶対的な評価基準というものはありません。例えば、テストの点は悪いよりも良い方がいいに決まっていますが、テストの点が良いからその人はすごく頑張ったとか、その人の方が優秀であるなどはなかなか端的には言えません。本稿では評価基準を適時に見直す必要性について事例をふまえて整理します。

テレワークをすると業務効率が落ちる?

テレワークを廃止したい管理職はよく「テレワークで業務効率が落ちた」と口にします。この発言は正しいかどうか検証が必要です。

何を持って業務効率が落ちたか、基準を確認することがまず必要ですが、よくあるケースは以下のようなものです。

「部下のAさんはオフィスで仕事をすると細部まで凝った精度の高い仕事を時間ギリギリまでしていたのに、テレワークになって人が見ていなかったら簡素な仕事で済ますようになった」

ある意味頷ける部分もあるかとは思いますが、ここでいう凝った仕事とは良い仕事でしょうか?必要最低限の簡素な仕事で済ませて、どんどん新しい仕事を任せた方がお互いに良いケースもたくさんあります。環境に応じて業務効率や良い仕事の基準を考え直すべき例です

限界利益が増えた部門は優秀?

部門の業績評価は売上から変動費を引いた限界利益で判断することが多いです。固定費はより上位のマネジメント層の判断で発生する費用であるため、部門に管理可能性がないからです。

しかし、管理可能な部分が伸びていればその部門は頑張ったのでしょうか?固定費にもいろいろあります。ラインアンドスタッフ組織で、スタッフを多く活用する部門が限界利益が増えて当然ですが、その増分は固定費であるスタッフの給料に依存しています。

また、上位マネジメント層の判断でその部門に最新の機械を投入した場合、その減価償却費は固定費ですが、機械の導入で間違いなく部門の業務効率は高まり、(変動費率が下がることにより)限界利益は増えます。これも部門の努力とは関係がありません。

人や部門を評価するうえで、適切な評価指標を見出すのは本当に難しいことです

まとめ

他人を評価するというのは基準にあてはめるだけでは簡単なようで、その基準の設定が非常に難しいものです。それでいて、不適切な基準を選んで不公平な評価をすると、不協和音が生じてしまいます。

当研究所では、事業環境の分析や、数値評価の経験豊富な公認会計士・弁護士が、御社の適切な評価指標の設定をサポートする業務も取り扱っております。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました