意外と知らない、リスクマネジメントと危機管理の違いと使い分け

リスクマネジメント

リスクマネジメントと危機管理は同じもの?

リスクマネジメントという言葉をよく耳にする機会が増えましたが、これと危機管理を同じものと捉える人をしばしば見かけます。両者は完全に異なる概念です。本稿では、その違いと使い分けについて解説いたします。

リスクを避けられるにこしたことはないが・・

リスクマネジメントにおいて認識したリスクへの対処法は大きく4つあります。受容・移転・軽減・解消です。もちろんあらゆるリスクを解消できることが最善です。しかし、地震対応を見てわかるように、仮にリスク解消方法があったとしても著しくコストがかかってコスパが悪いというものはいくらでもあります。

リスクマネジメントはリスクを認識し、対処法を考えて対処し、企業の抱えるリスクを最小化するプロセスです

こらに対し、危機管理は、スタートはリスクマネジメントと同じですが手放せなかったリスクのその後まで注目して企業活動の「回復」にも注力する手続きです。たとえば、地震リスクはすべて対応しきれないので、対応していない分野で地震が起きた場合、どのように事業を最小時間で回復し、企業の損失を最小化するかを検討することまで含みます。

入口はリスクマネジメントから

企業のリスクに対応する際、リスクを認識して対処法を考える入口部分は同じですので、枠組みがより具体化されているリスクマネジメントから入り、対処できるリスクにはできる限り対処しておいた方がよいです。

すべてのリスクへの対応は難しいため、コスパを考えながら対処できるものをまずはしっかり対処しておくことで次のステップにつながります

出口は危機管理で余すことなく対応

リスクマネジメントで受容、あるいは軽減されて承継されたリスクもスルーはできません。ここで、危機管理の観点からこうして残ったリスクに対し、どのように企業の損害を最小化するか、BCMを構築するかなどを考える必要があります。

すなわち、リスクマネジメントから危機管理にバトンパスして損害やリスクを最小限に抑え込んで初めて一連のプロセスが終わりなのです。

まとめ

こうしてリスクマネジメントと危機管理は異なる概念であり、2つの特徴をうまく使い分けることで、企業を守り抜くことが可能となります。

当研究所では幅広い分野の事業とリスクに触れてきた弁護士・公認会計士が御社のリスクマネジメントと危機管理の高度化に貢献します。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました