相続時には兄弟の存在を忘れずに

相続・事業承継

相続人の把握は当初は簡単だが・・

相続を考えた際、まず最初に確認するのは、当然、相続人は誰か、という点です。これは相続を考え始めた当初は比較的簡単で、配偶者と子どもです。子どもがいない場合、もし孫がいれば孫へ行き、孫もいなければ、親、兄弟の順で相続人が変わっていきます。

最初が簡単であるため、油断しがちですが、時が経過すると、この相続人関係が非常に複雑になることがあります。

兄弟が相続に関わってくるリスク

たとえば亡くなった父親の遺産が約3000万円であり、子供らはそれぞれ仕事に就いているため、遺産すべてを母親に相続させる合意があったとしましょう。この場合、遺産をすべて母親に相続させる遺言か遺産分割協議書を作成すべきです。

しかし、公正証書遺言は第三者証人が必要であったり、自筆証書遺言は要件が厳しいからと、遺言書の作成をしていなかったり、遺産分割協議書は実印と印鑑証明を用意しなければならないからと、横着して子供らがそれぞれ相続放棄をしたら大変です。

相続放棄によって相続順位のあがった兄弟が遺産をよこせと急に迫ってくるかもしれません。このようなケースでは必ず子供らが0円の遺産分割協議書を作成しなければなりません。

相続財産はプラスとは限らない

近時、会ったこともない親戚の負の遺産相続の知らせが急に届いて慌てる、という相談事例が増えています。

相続財産が負、すなわち借金超過の場合、誰も相続したがりません。そこで、上位相続人から順に相続放棄していった結果、面識のない遠い親戚の借金返済を迫られたというケースが増えており、核家族化が進んでいくなかで、今後ますます増加するとみこまれています。

こうした場合、期限内に相続放棄を済ませれば、借金を背負うことはないのですが、孤独死したようなケースの場合、親族の責任として、被相続人の借家の片づけやごみ処理などを行う必要が生じる場合もあります

まとめ

以上のように、当初は簡明であった相続関係が、時の経過により思わぬ方向に進んでいくことは増えており、その対策の1つとして、兄弟の存在をしっかり把握することが必要です。そして、兄弟の存在については、戸籍や住民票を取り寄せる権限のある弁護士に継続的に相談するのが望ましいです

当研究所では、弁護士・公認会計士が、相続を思い立った時から相続の完了まで、全フェーズを完全支援いたします。そして、実際に相続が始まるまでの間は、比較的低廉な相談料や顧問料で、相続関係の変化に応じて適切な助言や対応を行います。

相続を考え始められましたら、下記よりお気軽にご相談ください。

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