相続財産の流出を避けるために、弁護士×公認会計士がワンポイントアドバイス

相続・事業承継

相続財産がこっそり相続人の1人に抜かれるケース

相続を控えた高齢者は、1人での生活は不自由で、近くで誰かの支えを受ける方が多いです。生活サポートを受けるうえで、生活費等、必要な費用をサポートいただく方に渡したり、場合によっては預金の引き出しまでお願いし、通帳や実印を渡してしまうケースもよくあります。生活のサポートは善意で始まったとしても、こうして、他人の財産をこっそり奪う機会が目に前にあれば・・誘惑にかられて被相続人の財産を横領してしまう人も出てくることはある程度やむをえません。

そのため、相続財産の状況は、相続が発生するかなり前から定期的に確認し、不審な事があれば早めに明らかにしていくことが望ましいです

相続財産の概括的把握と信頼できる者との共有

とはいえ、まだ被相続人が健在な段階で、相続財産全部を明らかにせよと要求すると、被相続人の気分を害してしまうかもしれません。そこで、何気ない会話から、おおよその相続財産の存在を把握することがまずファーストステップとなります。把握すべき内容としては、

・預金口座の件数とおおよその残高

・保有不動産

・保有株式(下落傾向にあるおのであれば早期処分の助言も)

・骨董・絵画

・その他換金価値のありそうな財産

こうして把握した財産は、もし、信頼できる他の相続人や親族がいれば共有しておくことが望ましいです。何かあった際、1人で言うよりも2人でいう方が各段に強力だからです。

こうして相続財産の概括的把握ができていれば、何かの拍子に、相続財産がなくなっていることに気づいた場合、すぐに対応することが可能となります。

財産別の流出パターンの想定と対策

相続財産が単純になくなるケースは気づきやすいですが、巧妙な手口を利用された場合、追求が難しくなります。例えば以下のような手法があります。

・財産は存在したまま名義を変更してしまう

・権限がないにもかかわらずこれを装って処分してしまう

こうしたケースでは難解な問題はありますが、法的には相続財産を取り戻せる可能性があります。気付かれた際にすぐに弁護士に相談されるのが望ましいでしょう、

税務リスクの強調

相続人は相続財産の行方の調査能力に乏しくても、税務署は容赦なくこれを追い回すことができます。上記の形式的な名義変更等は、税務署であれば速やかに検知し、相続税額を増額させる方向に認定する可能性が高いです。

つまり、小細工は相続税上のリスクを増大させるだけの悪手である可能性も高く、相続財産隠匿者を追及する際にはその点の指摘が効果的な場合もあります

まとめ

相続発生時に、想定外に少ない財産に驚いても、その時点ではもはや財産流出に足がかりを失っている恐れもあります。相続財産はこまめにチェックしたうえで、気がかりがありましたら、お早めに弁護士に相談されたほうがよいでしょう。

当研究所では、弁護士・公認会計士・CFPが、相続に関するあらゆるご相談をワンストップ対応しております。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました