仕入・値下げの判断はまずはデータサイエンス。しかし限界も

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セブンイレブンがとうとう値下げ販売容認

これまで頑なに値下げ販売を容認しなかったセブンイレブンが、条件付きではありますが、値下げ販売を容認することを発表しました。
他のスーパーやコンビニでは当たり前のようにやっている手法ですが、セブンイレブンがこれまで値下げを認めなかったのにはとある理由とその限界があります。本稿では値下げ戦略の基本を紹介します。

見切り品の損失回避

食料品は当然のことながら買取商品で、売れ残りが生じるとその仕入代金が丸々損失となってしまいます。例えば400円で仕入れた商品を500円で販売しようとしている場合、この商品が売れ残ると400円の損失ですが、3割引で350円で売ると50円の損失で済みます。
スーパーは広い売場にできる限り多様な商品を並べる必要がある関係でどうしても売れ残りが生じやすく、定期的に店員が賞味期限を確認しながら値下げ処理を行わなければ大きな損失につながりがちです。

コンビニ商品はデータ分析で管理可能

コンビニはスーパーに比べて売場が狭く、保存の利く商品の割合も多いため、賞味期限の管理の必要な商品の品数は限定されます。さらに、コンビニチェーンの多数の店舗の実績数値というビッグデータを有するため、そのデータ分析である程度の精度の売上見込を予測できるため、仕入の数をきちんと精査すればそうそう売れ残りは生じにくいです。現にコンビニでおにぎりが売れ残ることはほとんどなく、時々売れ残る程度であれば、下手に値引きして顧客に値引きの期待を持たせるよりは、従業員に支給した方が良く、セブンイレブンが懸念しているのはある店舗での値引きが全社的に商品価値を下げてしまうのではないか、という点にあります。

仕入数を決めるのは各店舗

こうしてデータサイエンスを活用すればある程度は売れ残りが生じにくいようにすることはできますが、お弁当やスイーツなど顧客の嗜好に左右されるものはどうしても一定割合売れ残ります。また、仕入数を決めるのは結局は各店舗で、各店舗が合理的な判断をできなければどうしても一定の売れ残りは生じてしまいます。ここで値引き販売してはいけないというルールを厳格に適用すると、優越的地位の濫用といった問題も生じかねません。
各店舗が間違えた判断についても一定の救済の道を与える必要があることから、値引き販売の完全禁止には法律上大きな問題があります

まとめ

これまで勘や経験で判断してきた事項がどんどん機械を活用して合理的に判断すべき時代に変わってきており、データ分析やITの活用の必要性が高まっています
当研究所では、データサイエンティスト・ITストラテジストを兼任する弁護士・公認会計士が御社のDXを力強く推進します。下記よりお気軽にご相談ください。

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