法律・知財・会計目線で整理する、商標出願のタイミング

知財戦略

商標出願前に必ずすべきこと

新しいマークや名称を使用して、商品やサービスを販売しようとする際、そのマークや名称の商標出願のタイミングが問題となります。商標出願を怠った場合、後発の競業相手に、そのマークや名称と類似したものを使用して模倣営業をされてしまったり、商標自体を横取りされ、ライセンス料を請求されてしまうおそれがあります。そこで、本稿では商標出願のタイミングを整理するのですが、その前に、新しいマークや名称を決めた段階で必ずすべきことがあります。せめて、Googleを介して、そのマークや名称と似たものを使用している人がいないかチェックすることです。既に他人が使用しているマークや名称と類似したものを使用すると、損害賠償義務が発生することがあり、商標出願も認められない可能性が高まるからです。

初期から広告宣伝をしっかり行う場合

大企業の新製品等では、投入初期に徹底した広告宣伝を行うことが多いです。このような広告宣伝が予定されている場合、仮にその商標を他社にとられてしまうと、それまでにかけた広告宣伝費によって得た知名度や信用まで奪われてしまい踏んだり蹴ったりです。そこで、このような場合、マークや名称を公開する前に商標出願するのが一般的です。例えば有名ゲームソフトシリーズの続編のサブタイトルなどは、その名称の公開前に商標出願するのが一般的です。

手探りで進む場合

売れる自信はあるが、投入初期はコストを抑えながら探り探り事業を進めていくような場合、前項のように、かけたコストが無駄になってしまうリスクはそれほど大きくなく、事業撤退の際の損失を低く抑えることも重要です。そのため、投入初期の段階では商標出願を見送るケースはしばしばあります。しかし、事業が軌道に乗り始めたらすぐに商標出願できるよう、弁理士に相談のうえ、準備しておくのが望ましいです。「商標を横取りされた」というニュースが時々流れますが、これは、悪徳業者が常にネット上を監視し、検索数の急上昇したキーワードで商標出願未了のものを先に押さえてしまうからです。マークや名称が認知され、使用されることが多くなったと感じたら、すぐに商標出願すべきでしょう。

商標出願が遅れて他者にとられてしまった場合

商標出願を躊躇しているうちに他者に先に出願されてしまった場合はかなり厄介です。しかし、自身が使用していたという証拠を用意できると、先使用権という権利を行使でき、損害賠償請求は免れられる可能性が高まります。また、最初から高く売りつける目的で商標出願を行った盗用者に対しては、いくつかの対処法が考えられます。こうしたケースでは、商標出願実務に詳しい弁護士に相談のうえ、対処法を考えてもらうのが望ましいでしょう

まとめ

商標出願は先願主義なので、できる限り早く出願するにこしたことはありません。しかし、収益性を考えると早い段階での出願を躊躇することも理解できます。当事務所では商標出願実務経験豊富な弁護士×弁理士×公認会計士が、収益性もふまえながら適切な商標出願戦略を指南いたします。商標出願をお考えの方は、まずは下記よりお気軽にご相談ください。

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