泳がせる?締める?著作権管理の加減

知財戦略

著作権管理の重要性が増している

著作権管理の重要性が年々大きくなっています。特許庁で登録されなければ行使できない権利に比べて、著作権はふと瞬間に発生し、すぐに活用できます。またその身近さゆえに、子どもや学生が安易にこれを侵害して想定外の大きなトラブルに発展する可能性も高まっています。

著作権は専門家目線でも難しいため、管理は非常に大変なのですが、本稿ではそのさじ加減について整理いたします。

著作権の対象が難しい

著作権が難しいのはその対象範囲が難しい点にあります。例えばツイッターで短文を投稿してバズったとしても、短い文章には著作権は発生しないケースが多いです。他方で写真についてはかなりの確率で著作権が認められ、ネット上の写真を勝手に転用すると権利侵害で損害賠償や差し止めの問題に発展しかねません。

権利侵害の形も様々で、無断転載としてペナルティを負うのは原作をそのまま転載した場合に限らずいわゆるネタバレのようなダイジェストも含まれますし、同一性侵害としてパロディも責任追及の対象となる可能性が高いです。

こうした著作権の範囲については大変難解ですので、スポットでも専門家に相談することをお勧めいたします。

泳がせるのも一手

著作物を勝手に使用されるのは決してマイナスだけでなく、プラスになる面もあります。最もわかりやすいのがゲーム実況。ゲームは当然制作会社が著作権を有していますが、楽しそうにゲームで遊んでいる動画を見た子どもが、そのゲームを欲しがるという一種の口コミ拡散が期待できます。

広告宣伝費には限界があるため、口コミ拡散は大変有力な販売促進手段。そのために一定の範囲で著作権のフリー使用を認めて泳がすのも手です。他にも有名漫画を、出版社等のサイトで、序盤の数冊だけ無料で公開する行為もこれと同様の効果を期待しています。

締める範囲を見極める

もちろん、フリー使用を認めるにしても、一定の歯止めは必要です。ゲーム上のキャラクターを貶めるような動画は、販売促進において逆効果だからです。ゲーム実況は、通常は規約を設け、規約を守る限り著作権行使はしない、規約を破れば権利行使する、というメリハリをハッキリさせています

近時、大きな問題となっているのは漫画などの文字ネタバレです。文字ネタバレは原作自体の使用ではありませんが、これがまかり通ると間違いなく売り上げは減ってしまいます。こうした悪質な行為に対しては専門家を通じて断固対応する必要があります。

まとめ

著作権は他の知的財産権に比べて簡単に取得しやすい反面で、何についてどのような対応ができるのか、適切なのかわかりにくい権利でもあります。

当研究所では、経営やITにも詳しい弁護士・公認会計士が、経営目的目線で御社の最善の著作権対応を助言いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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