組織不祥事の2パターンの発生原因
どんな組織でも不祥事が発覚すると火消しが最優先活動となって組織活動が混乱し、少なからず外部ステークホルダーの信頼を失墜してしまいます。そのため、組織不祥事対策には費用や労力を惜しんではなりません。
組織不祥事には、大きく2つのパターンがあります。意思決定層に近い上位層によるものと、メンバー層によるものです。どちかであるかによって対策も大きく異なりますので、以下、場合分けして整理したいと思います。
経営層に近い層による不祥事の対策
経営層に近い層による不祥事は、内部統制を無効化して行われることが多いです。内部統制とは、組織がその健全な活動のために設定している相互監視のルールですが、経営層に近い層が横領などの違法行為に及ぶ場合、事前に自分の行動をチェックする担当者に根回ししていたり、重要な決議において自分の息のかかった者に(違法な内容であっても)自分に賛同するよう、事前にプレッシャーをかけているケースが多いです。
そのため、これに対する対策としては、一般的に気づきにくいような新しい内部統制を加えたり、その者に直接苦言を呈することのできる発言力あるボードメンバーを追加することなどが考えられます。
メンバー層による不祥事の対策
上位層による不祥事と異なり、下位層による不祥事は重大性のインパクトが小さい反面で件数が多くなりがちです。僅かな金額でも不祥事の火種はすべてつぶしたいところですが、本当に全部潰そうとすると、大変な労力と費用を必要とするため、現実的ではありません。
そこで、こうしたケースについては、内部統制のルールを精緻化・明確化したうえで、ルールに反した者へのエンフォーメント(罰)を明確化し、組織としてルールに従う意識を高めていくことが有効です。違反しても大した罰を受けないのであれば人間は、違反行為を犯します。ですので、罰を明確に設定し、個々人が「きちんとルールを守ろう」という意識を持ち、これを組織全体に広げていくことが非常に有効な対策となります。
PDCA
こうした内部統制の構築は非常に重要ですが、PDCAサイクルのPに過ぎません。実際に運用してみて、改善箇所を洗い出し、内部統制システム全体を高度化することを継続的に行っていくことが重要です。
まとめ
こうして2層に分けて準備をしておけば、仮に不祥事が発生しても、その概要・要員、そして今後の対策を整理するのも難しくなく、速やかに外部ステークホルダーに説明のうえ、信頼維持につなげることができるでしょう。当事務所では、法律と会計両面に精通した弁護士・公認会計士が、リスクマネジメントのベースとしての内部統制の構築、そしてその運用まできめこまかな助言を提供いたします。まずは、下記よりお気軽にご相談のうえ、組織を強化する体制作りを行いましょう!
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