黒字倒産よりも危険な人材不足による倒産

事業再生

サービス業や芸能プロダクションなどの倒産が急増。理由は・・

コロナ禍から少し落ち着いて、倒産企業の件数は一段落していましたが、一定の業種では再び増加傾向にあります。
倒産原因といえば売上低迷や、資金繰りの失敗による黒字倒産等が挙げられますが、近時のサービス業等で大きく問題となっているのは「人材不足」です
本稿では、サービス業等が必要な人材を集めるためにどのような対応をしていけばよいかを整理します。

安い給料では人は集まらない

初心者だし、教育もしなければいけないので初任給はこれくらい。
と、昔ながらの感覚で給与設定していないでしょうか?今は少子化で、人手不足の時代。そしてその人材側も「きつくて安いなら無理に働かなくても良い」と考える時代。安い給料ではそもそも人が集まらない時代です。
雑用は安い給料でアルバイトにさせて・・などという考えはもう通用せず、中核的なサービスを提供する熟練スタッフはいても、それを支える下位のスタッフがいないため業務がままならない、という理由で倒産に至るケースも少なくありません。

安い給料では人は定着しない

今は1つの会社に従業員が長く勤める時代ではなく、将来のキャリアプランを考えて転職を繰り返すのが当たり前になっています。そのため折角自社内でOJTを積んで成長した中核社員がいつ辞めてしまうかわからない時代になっています。
辞めるという人間を無理に引き止めるのは困難です。そうした人材が定着するためにはきちんとコミュニケーションをとって必要なものを用意することが不可欠です。

賃上げとキャリアプランニング

最近では資金繰りよりも人手繰りの方が難しくなりつつあるため、必要な人材を集めるためには相応の賃上げは避けられません。
そして、賃金をあげてば人が定着するというわけではありません。人それぞれキャリアプランがあり、希望しない職種について欲しくないスキルを得ることは時間の無駄だと考える人も増えています。
給料だけでなく将来設計も含めて、何をその人が望み、会社は何を与えられるかを考えて処遇を考える必要があります。

より大きな職場環境

ワークライフバランスや働きやすさも、最近、強く重視されています。理不尽に起こる昭和の上司や、同僚の悪口があちこちで聞こえる職場などは誰も働きたくありませんし、テレワークができなかったり、子どもの体調不良時にすぐに帰宅できないようなオフィスも敬遠されます。
賃金と職務内容だけでなく、より広い意味で職場環境を整えて「働きやすい職場」を構築することが不可欠です。

まとめ

企業である以上、当然、資金繰りは万全を期す必要がありますが、近時はそれだけでなく、給与・職務内容・拘束時間・人間関係など、サポートしなければならないことは多々あります
当研究所では、弁護士・公認会計士・MBAが、御社のこうしたすべての面を水平的に分析・検討して最適解の導出に協力します。下記よりお気軽にご相談ください。

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