引き取り手のない遺産600億超の恩恵にあずかる方法

相続・事業承継

引き取り手のない遺産が増加中

おひとり様の増加などにより、相続人がおらず国庫に帰属する遺産が年々増加しており、2021年度は600億を超えたようです。これは相続財産管理人等のコストを支払った後の金額で、引き取り手のない遺産総額はもう少し大きくなります。

物価高に増税も噂されるこのご時世、少しでももらえるものがあればもらいたいという人は多いはずです。本稿ではこのように引き取り手がなく国に帰属する遺産を少しでも親族等が承継する手法を紹介いたします。

遺産の引き取り手がいなくなる理由TOP2

プラスの遺産であれば「とりあえず相続しとこう」と考えるのが普通ですが、これが引き取られない理由には大きく2つあります。

1つはおひとり様の増加。自分が亡くなった後の相続人がいないことは知っているが、亡くなるまでの介護費用や入院代、葬式費用を残しておきたい思いから財産を処分できず、とうとう亡くなった際に遺産が残っているケースです。

もう1つは、従前、被相続人は従前借金をしていたという噂を基に相続財産を調べずにマイナスだと決めつけて相続放棄してしまうケースや、疎遠であった被相続人と関わり合いになるのが面倒だという理由で調査を怠って放棄したケースなどです。

「おひとり様」は、自分の生活に支障ない範囲で遺言の活用を

前者のおひとり様のケースでは、自身の生活に必要な財産を整理してそれ以外を遺言で相続発生時に移転することが有効です

現預金は一定金額必要ですし、母屋も必要不可欠です。それ以外の財産がある場合、「自分の死後残っていたら、生前お世話になった方に譲渡する」という旨の遺言を残すことで遺産を有効活用することができます。

また、母屋以外の収益不動産がある場合、これを信託して家賃収入を自身の生活に活用してもらう契約も有効です。

想定外の相続でも面倒くさがらずに相続財産調査は行おう

近時、直径卑属の相続放棄により、傍系に急に降って湧いて出る相続が増えています。先順位が放棄しているから当然負債超過だろう、と考えがちですが、少し落ち着いて調査してみるのが大事です。

相続放棄期間は3か月あります。その間に、被相続人の通帳等をざっと見て、未知の相続財産がないか調べてみましょう。これは見つかったら儲けものですし、見つからなかったら期限内に放棄すればよいだけです。

疎遠な親族間でも最低限のコミュニケーションを

疎遠な親族間では、面倒な後始末を押し付けられたくない、という思いもあるかもしれませんが、相続放棄でこれを回避しても結局誰かがこれをしなければなりません。

本当に負債超過の相続であれば比較的簡単に処理できますが、そうでない場合、対応しなければ相続人が損しますし、後始末をさせる相続財産管理人等にも負担をかけてしまいます。

これを避けるために、普段疎遠であっても兄弟等の親族間では最低限のコミュニケーションを行っていくことが、お互いに有益なのです。

まとめ

相続財産の国庫帰属はこうしてちょっとした工夫で回避できます。ひょっとしたら自分が親族に迷惑をかけるかもしれない。そう考えて、密でなくとも良いので親族と必要なコミュニケーションを果たしていくことが大事です。
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