不採算部門の清算方針であなたの相談相手の本気度がわかる

事業再生

不採算部門だけの処理は意外に難しい

複数の事業部門を有している企業において、特定の部門に窮境原因がある場合、当該部門を切り出してその他を再生するというスキームがしばしば考えられます。これは考えるだけであればごく普通ですが、実現するには様々な障害があります。

そして、これをどう実現するかリードするやり方において、その企業が相談している弁護士やコンサルタントの本性が現れるところです。本稿では、こうした不採算部門の処理の場面について整理したいと思います。

不採算部門を新会社に切り出すのは税務リスク高

不採算部門を切り出して清算するために、不採算部門の事業を新会社に譲渡して清算する方法がまず考えつきますがこれには税務リスクがあります。税務上、外部に事業譲渡する場合時価評価されますが、不採算部門を時価評価すると、大抵は大きな益金が生じ、まとまった法人税が発生してしまいます。

ここで、「税務上の問題は税理士に解決してもらえ」と、課題を転嫁する専門家は、事業再生全般をリードする能力が不足していると考えられます

不採算部門を早く安売りしようとするのも税務リスク高

M&Aを成立させるとかなりの成功報酬が受け取れると言われています。そのため、不採算部門でも安く売ってしまおうと勧める方もあまり良いアドバイザーとは言いにくいです。不採算部門を売ることができれば清算の手間は省けますが、M&Aで譲渡する際に時価評価されるのは前項と同じで、安く売れば売るほど時価との差額について税務リスクが生じるのです。

優れたアドバイザーは不採算部門でも強みを活かして高く売ろうとする

事業再生を念頭に置くのであれば、不採算部門でも高く売却したいですし、税務リスクを被るのは避ける必要があります。そのため、優れたアドバイザーは、不採算部門であってもその強みを把握し、それを再生させて高く売却しようと試みます

また、不採算部門の整理にあたっては、人の整理も必要ですが、優れたアドバイザーは整理する人を選別して断固たる対応をとります。いわゆる「働かないおじさん」などの、給料に見合わない人材は事業再生の過程で確実に辞めてもらう反面で、企業に貢献している人材は、速やかに採算部門に異動させて活躍してもらうよう勧めます

まとめ

以上のように、不採算部門の切り出しには税務リスクもあり、人材整理にも工夫の余地があります。そのため、こうしたケースではできる限り優れた、企業オーナーの思いを受け止めてくれる専門家に相談すべきです。

当研究所では、経営に詳しく、弁護士・公認会計士双方で事業再生の経験豊富な専門家が御社の最善の再生を最後まで模索いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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