知財戦略のプロは語る。業務提携は奥が深い

知財戦略

業務提携の重要性

新たな知的財産権の創出や権利の事業化に向けて、自社だけで取り組むのは限界があるので、他社と共同で進めるというのは非常に良い着眼です。お互い、それぞれの業界で通用している強みがあるはずですので、こうした強みのシナジーを出すことを目標に協働すれば良い成果が得られる可能性は大きくなっていくと期待されます。

業務提携の危険性

しかし、他社との業務提携はリスクも多分に含みます。成果物をどう分配するのか、コストや損失をどう分配するのかで一々話し合っていては折角のチャンスに機動的なアクションを起こせません。また、たとえば収益分配でかけたコストの割合で分配するとして、相手方が分配直前におよそ収益に関連しなさそうなコストを大量に計上してきたケースや、逆に損失を収益ベースで分配することとして、相手方が当方の二次的・三次的されには潜在的な利益まで指摘するようであれば、およそ両者の納得する分配は難しく、以降の連携にも支障をきたすでしょう。

分配すべきものの分配基準を明確に

業務提携にあたっては、分配すべきものについて、予測される状況を徹底的に予測したうえで、納得のいく分配基準を契約書に盛り込んでおくべきです。

例えば、知的財産権の共同開発であれば、発生した権利の共有割合をどのような基準で分配するか(できれば当方が50%超を確保できる基準)の取り組めが必要です。

同様に収益・損失・コストの負担割合も、事前に契約書で分配割合を定めるのが基本です(収益が見込まれる場合は、当方側の割合を多く、損失・コストが上回ると予想される場合には当方側の割合を少なくする)。

忘れてはならない秘密保持と競業禁止

成果物が確定した後、その分配割合に不満のある側が行うと予測されるのは、秘密の公表による成果物の陳腐化や収益低減であったり、当該情報やノウハウを持ち出して、契約当事者でない子会社などを活用して営業を妨害することなどです。そのため、当初の業務提携契約書において、想定されるリスクをすべて加味したうえで、秘密保持や競業禁止など、相手方による報復行為を禁止する条項を丁寧に作成しておく必要があります

まとめ

以上に整理した通り、知財の発掘や運用にあたって、他社と業務提携することは有意義ですが、最初にきちんと契約でルールを定めなければ、契約の同朋でありながら、お互いに騙し合う最悪の関係になりかねません。当事務所では、業務提携にあたって想定される会計・法務・税務リスクを丁寧に洗い出し、これを解決する業務提携の実現に向けて助言・契約書作成業務を提供しております。まずは、下記よりお気軽にご相談ください。

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