慰謝料請求こそ離婚話を切り出す前に弁護士に相談を

離婚

不倫など明確なケース以外では意外に慰謝料請求は消極的

離婚案件では慰謝料請求が当然についてくる、と思っている方も多いようですが、不倫やDVなどのはっきりしたケース以外ではあまり慰謝料請求は積極的に行われないのが現状です。

はっきりした離婚原因がない場合、「お互い様」と考えるのが日本人の風潮なのかもしれませんし、慰謝料請求で離婚をこじらせるならさっさと離婚を成立させたいと考えるのかもしれません。

弁護士としても、慰謝料請求に消極的な依頼者の前で、訴訟提起段階で、生活費が不足することが想定される場合、「慰謝料請求しませんか」と提案するケースも多いです。本稿ではこうした慰謝料請求をめぐる戦略を紹介します。

慰謝料と財産分与請求は離婚請求と切り離せるが

離婚と合わせて決めなければならないのは子どもの親権と養育費で、慰謝料と財産分与は離婚と同時に定めなくてもよいです。そのため、どうしても離婚したい人は先に離婚を成立させて慰謝料は後から考えるのも一策です。

しかし、慰謝料の請求の可否は離婚原因に依ります。離婚訴訟の中で中途半端な内容で妥協してしまうと、その時点で慰謝料請求も困難となる可能性があります。訴訟負担の二重化を避ける意味でも、離婚と慰謝料は同時に解決を目指すのが良いでしょう。

証拠は追完できない

先に書いた通り、訴訟提起段階で「生活費が足りないから慰謝料請求しておこう」というスタンスだと、この時点で弁護士をたてて争っていますので、もう相手から有効な証拠を得るのは困難です。

不倫やDVの証拠を残すことでも難しいのですから、そうでない理由で慰謝料請求の証拠を押さえるのはさらに至難です。これをなすには、「まだ離婚意志を伝えていない段階」で弁護士に相談し、助言を受けてこっそり必要な証拠を押さえる必要があります。

早めに陳述書を書ききってしまう

離婚訴訟や慰謝料請求訴訟では、離婚原因について当事者の証人尋問が不可避で、そのために、「陳述書」という自分の記憶にしたがった経緯をまとめた書類を提出します。

この陳述書は、いかに「相手に見せるのを遅らせるか」が大事な戦略になるケースもあるのですが、原告側の戦略としては、弁護士と依頼者の間でこれをいかに早く作成するかが実は重要です。このシナリオが描けると必要な証拠や相手の主張の弱点も見えますし、証人尋問内容がぶれて信用性を疑われる可能性も抑えることがでからです。

まとめ

離婚における慰謝料請求は、最後に「ついで」に行う場合、なかなか勝訴が難しく、最初から腹をくくって請求を決断すべきですし、その場合、相手に離婚意志を伝える前に弁護士に相談して証拠収集を急ぐ方が得策です。

当研究所では、慰謝料請求をめぐる戦略策定の経験豊富な弁護士・CFPが早期の効果的なアクションを状況に応じて柔軟に提案いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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