SNS上のリスクマネジメントを重視すべき理由
SNSでは日々、非常に多くの方が情報交換を行っています。その中で企業活動に最も直結するのは「いいね」の数。企業の商品やサービス、事業活動等についてSNS上で「いいね」が増えていくと口コミで加速度的に拡散され、あまりコストのかからない効果的なPRを展開することが可能です。
しかし、この裏返しで、評価を下げるような事象が発生するとこのネガティブ情報が加速度的に拡散され、大惨事に至りかねません。これを回避するため、SNS上のリスクマネジメントは現代的に非常に重視すべきポイントとなっています。
平時のリスクマネジメント
平時のリスクマネジメントとして行うべき活動は大きく分けていかの3つです。
- ブランド管理として、悪評が広まっていないかどうかチェックする
- 従業員由来で不適切投稿や不適切行為発生のおそれがないかチェックする
- 情報セキュリティとして、情報漏洩や事件発生のおそれ(攻撃メール受信等)に対応する
まず何も問題の兆候のない平時においても、定期的にSNS検索を行い、自社の商品等に対して悪評が広まっていないかどうかチェックが必要です。その悪評に根拠があるのであれば、早急にその根拠を解消することが必要となり、根拠がない場合は、投稿の差し止めや損害賠償等を検討することとなります。
SNSリスクは、外来のものだけでなく、内から、従業員由来で発生するものもあります。多いケースとしては、従業員がうっかり不適切投稿をしてしまうケース、エレベーターや電車等の公共の場所で不適切な言動をしてしまうケースです。平素から従業員教育をしっかり行い、有事の際は速やかにこれを把握して対処することが必要です。
平時から情報セキュリティは常に要注意です。特に情報漏洩と、外部からのウェブ由来の攻撃は常に発生し得るため、できえば専門対策部署を設置したいところです。
重要なイベント時におけるリスクマネジメント
平常時よりも、特に注意を要するタイミングとして以下のようなタイミングがあります。
- 経営陣が意思決定するタイミング
- 経営報告やサスティナビリティなどの取り組み報告を行うタイミング
- 新商品、新サービス等を発表するタイミング
意思決定や発表の内容はすでに確定していたとしても、その公表が効果を奏するかは、タイミングに依存する部分があります。例えば企業の不祥事等で、世間の目が厳しいタイミングでは、良い新商品を発表してもネガティブに受け取られかねません。
SNS上で、自社や自社の商品等に対してどのような評価が下されているかを把握したうえで、公表・発表すべき内容は、最も効果のあがるタイミングで行うことが大事です。
有事の際のリスクマネジメント
たとえば情報漏洩等のインシデントが発生した場合、企業としては速やかに対処したうえで、ステークホルダーへ報告する必要があります。
ここでも、SNS上でどのような受け止め方をされているかを網羅的に把握し、インシデントをおさめるために行ったことだけでなく、SNS上の懸念にも対処してこれを報告すると、企業に及ぶリスクも最小化され、ステークホルダーの信頼も回復しやすくなります。
まとめ
以上のように、SNSは非常に使えるPR媒体であり、そうであるがゆえに大きなリスクでもあるため、フェーズに応じたきめ細かなリスク対応が必要になります。
当研究所では、経営やITにも詳しい弁護士・公認会計士が総合的な視点で御社のリスクマネジメントに対応させていただきます。下記よりお気軽にご相談ください。
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