実在モデルではなくAI創出モデルの活用傾向
CMといえば、実在のタレントやモデルを活用するのが一般的ですが、近時、生成AIが創出した架空のモデルを活用する例も増えています。この架空モデルの活用には様々なメリットがある反面で、問題点もいくつかあります。本稿ではこの点について説明します。
スキャンダルリスクがない
生成AIが創出したモデルを活用する理由の1つは、当該モデルには現実世界での活動がなく、スキャンダルによる企業価値損失のリスクがない点が挙げられます。
いくら著名なモデルでも、結婚や出産の際にはファン離れが起こりますし、不倫や犯罪に巻き込まれると、著しい批判に晒されてしまう危険があります。
これが、架空モデルであれば、スキャンダルで信用を失墜するリスクはかなり低く抑えられる点が大きな魅力です。
コストカットが可能
実在のモデルだと、新しい衣装で撮影する際などには、当該衣装を用意し、プロの写真家も手配して、撮影場所も手配して、撮影する必要があります。当然、人の仕事についてはタイムチャージで費用が発生するため、1枚の写真を撮るにも相当のコストが必要でした。
しかし、生成モデルだと、こうした実物にかかる費用が不要になるため、大幅にコストカットが狙えます。
ストーリーがない
逆にデメリットとしては、生成モデルにはこれまで歩んできた歴史がないため、視聴者の共感を得るストーリーがない点があげられます。
例えばスポーツ選手をCMの起用する企業は、その選手のひたむきな努力やクリーンさなどといったストーリーを自社イメージの向上に活用します。
生成モデルも、ストーリーは後付けで作ることはできますが所詮はフィクション。実社会で活躍してきた実在の人物に比べると、共感を得る力は劣るのはやむをえません。
権利侵害のおそれ
生成AIはオンライン上で得られる様々な画像から画像を生成するため、どうしても実在のモデルの顔や体のパーツを活用した場合、当該モデルに対して権利侵害となってしまうおそれがある点にも注意が必要です。
まとめ
生成モデルを活用することは、以上のようにメリット・デメリットありますが、メリットが大きいと考えられており、積極的に活用する企業が増加傾向にあります。
当研究所では、知的財産・ITに詳しい専門家が、こうしたデジタル分野の相談にも幅広く対応しています。下記よりお気軽にご相談ください。
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