離婚時に弁護士らに相談しなければならない「本質」

離婚

裁判官や弁護士は相談者と同じものを見ていない

離婚を決意して弁護士に相談したり、裁判官や調停委員に事情を説明する際、多くの方は自分の記憶に従い、思った通りに話をすると思いますが、実は大半のケースでは、裁判官や弁護士は相談者と全く違う観点で、その話を聞きますし、私も、とある理由で、そうした裁判官らとはかなり違った観点から話を聞きます。
つまり、自分が大切なことだと力説しても相手はスルーしている部分も結構多いのです。本稿では、離婚事件において、弁護士や裁判官にどのような事を説明すればいかを説明します。

慰謝料案件で特に顕著

離婚訴訟の準備書面で相手に対する悪口合戦が繰り広げられることは珍しくありません。こうした案件における当事者の中での大事なことは、「婚姻関係を壊したのは相手」であり、「だから慰謝料をもらう」であることが多いです。
しかしながら、特に裁判官は、どちらが悪いか、はあまり掘り下げて確認しません。あくまで離婚やむなしの状態であるかをまず判断し、離婚する場合に、慰謝料で調整する必要があるかを考えるために、必要な事情だけをピックアップします。
離婚に至った犯人捜し、には全く興味がないのです。

代理人は、「何を貢献できるか」の観点で話を聞く

代理人弁護士の視点では、依頼者のためにどう貢献できるか、という観点で話を聞きます。
一番大事なのは離婚の成否であり、その後、親権や養育費、慰謝料などを検討していきますが、親権や養育費などは、弁護士の力量で結論が変わるケースは非常に限定的であり、どうしても貢献可能な離婚の経緯や慰謝料に注目します。
というわけで、代理人弁護士は、「離婚に至る犯人捜し」は無意味であることを知っていますが、この案件でできる限り依頼者に寄り添って貢献するために、必要に応じてその話を聞き、悪口合戦に加担します。

私の観点

弁護士×CFPで、どちらかというと女性側からの相談の多い私は、裁判の成否よりも、相談者のライフプランニングを強く意識して話を聞いています
裁判で頑張るとしても、親権や養育費で頑張れる領域は限られており、慰謝料も、とれたところで100万円(そこから弁護士費用が引かれる)と考えると、そこに注力するよりも、その後、子どもとどう満足のいく生活をしていくかを考えて、先手先手でできることを進めていくことの方が圧倒的に重要だと考えるからです。
そのため、私が離婚調停に出る場合、その合間ではライフプランの話の割合がかなり多くなる傾向があります。

まとめ

法律番組などで、「離婚できるか」「慰謝料はいくらか」といった切り口で弁護士が話すトーク番組が時々ありますが、それは野次馬視点での関心事であり、実際の当事者が意識して相談相手と共有すべき事は少し違ったところにあると思います。
当研究所では、日本国内でまだまだ希少な弁護士兼CFPが、貴方の本当の悩み事を見つけ出し解決のために総合的に対応します。下記よりお気軽にご相談ください。

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