養育費請求を確実にするためには離婚戦略と同時に計画が必要

離婚

養育費がもらえないと生活に大いに支障が生じる

離婚して片親となる方にとって、一番の生活上の問題はお金です。離婚に際しては①慰謝料②財産分与③養育費等がありますが、①離婚原因によっては請求できず、②も婚姻後に形成した財産がなければ請求できないため、養育費が、離婚後の唯一の、自分の給料以外の収入源になるケースも多いです。

この状況で、養育費が約束通り支払われなければ大変困ります。養育費は、実は家庭裁判所で支払の調書を作成するのはそれほど困難ではありませんが、確実な支払を促すことがなかなか困難であることが多いです。本稿では、養育費をできるかぎり確実に支払ってもらうための手法を、手続の上流に遡って整理します。

どこから養育費をもらうか根源を押さえる

養育費を確実に支払ってもらうためには、それがどこから根源的に支払われるのかを、まず押さえる必要があります。相手が会社員であれば、会社の給料から支払われるのが間違いないため、会社への在籍と、直近1年の給与を確認する必要があります。

相手が自営業やフリーターだと話は複雑です。収入も不安定ですし、相手が支払わない際に強制執行する先も移り変わっています。こうしたケースでは、場合によっては相手から養育費を受け取るのではなく、相手の特定の先からの収入をそのまま養育費として受け取るような仕組みも考える必要が生じるかもしれません(相手の手元に入った時点で費消されるおそれがあるたえ)。

相手に養育費支払義務があることをきちんと認識させる

離婚手続は、話し合いで解決するのであれば、できる限り調停にはしない方が良いです。調停で家庭裁判所に行って話をする時間も労力も大きな負担だからです。しかし、養育費に関しては、調停を行って調書を作成すべきです。調書にすることで、重大性を認識できますし、不払の場合、調停調書をベースに差押えもできます。

ここで注意すべきは、調停には必ず相手方も出席させるべきです。養育費を調書にする手続だけであれば相手方がいなくとも、双方の収入に関する書類があれば審判で可能です。しかし、これでは相手方は養育費の重みを理解せず、収入が厳しい時などに養育費の支払いを怠りがちです。きちんと裁判所に出頭させ、裁判所職員の説明を受けて支払義務を意識させることが大事です

差し押さえは諸刃の剣、躊躇ってはいけないが・・

養育費が支払われない場合、ファーストチョイスは給与差押えです。こちらも生活に必死な状況であるため、差押えを躊躇する余裕はありません。しかし、多くの場合、給与差押えをすると、相手はその職場に居づらくなり辞めてしまいます。そうすると、養育費の支払元を失ってしまうおそれもあるため、この点は少し配慮した方がよいでしょう。

まとめ

以上のように、養育費請求は、調書作成までは簡単ですが、そこから先の履行の確保がなかなか困難です。この履行の確保を推進するためには、離婚戦略を練ると同時並行で、色々と布石を打っていくことが重要です。

当研究所では、養育費の取り立て経験の豊富な弁護士が、離婚戦略と同時に、いかに確実に養育費を確保するかも検討し、対策を説明いたします。

下記よりお気軽にご相談ください。

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