知財戦略のプロが指摘する、戦略策定において見落としがちなこと

知財戦略

自社内シナジーの可能性

知財戦略には色々ありますが、一番大きな目標は、イノベーションの創出です。他社のマネをしたりされたりでは、大きな価値創造は難しく、今までにない新しい商品・サービスを開発して、ライバルに差をつけたいというのは、どのような競争にある企業でも望むことです。

このイノベーション創出にあたり、外ばかり見る企業は多いですが、実は自社内にイノベーションの種が隠されていることを見落とすケースは結構あります。特に、自社内であっても、大きく異なる分野の事業間で、それぞれが活用する知的財産権やノウハウ等を複合すると大きなシナジーを創出できるにもかかわらず、縦割り組織の中でこれらを組み合わせるという着想に至らないケースは多く、非常にもったいない事例です。

提携という手段

自社の資源と他社の資源を組み合わせる必要があるという着想に至っても、他社の資源を自社に取り込んで、自社内で開発することにこだわりすぎる企業もあります。しかし、相手とのパワーバランス上、大きくリードした関係でない限り、このように他社の資源を自社に取り込むのは難しいですし、コスト上も得策ではありません。

そうではなく、フラットな立場で提携するという手段がよく使用されます。相手の領域では相手に研究を進めてもらい、相手とのコミュニケーションの中で、イノベーションを模索しようとするものです。これを行うためには、秘密保持や、生じた利益の配分など、契約で慎重に取り決めることが多いため、弁護士に相談する等により、丁寧に行うことをお勧めいたします。

サプライチェーン全体の抜本的見直し

どのような企業も、サプライチェーンの中の1ピースとして存在します。このサプライチェーンは、誰が決めたわけでもなく自然発生的に生じた関係ですが、それが最善であるという保証は全くなく、逆に、大きく改善して合理化する余地を多分に含むことが多いです。そこで、サプライチェーンのあり方について取引先と定期的に相談し、これを大きく改良できないか考えてみることは重要です

大学・ベンチャー企業との連携

大学や新規ベンチャー企業は新しい知識や技術の宝庫です。自社の資源にこの新しい技術を組み合わせることが、イノベーションへの最短経路であることは多いですが、どのような技術があるか知らなかったり、最初からこうした先を提携先から外している企業もしばしば見られます。自社の技術に「こんな技術が組み合わせれば面白いな」と想像できるものがあれば、これをウェブで様々な観点から検索すると、こうした大学やベンチャー発の技術に辿り着けるかもしれません。是非、ダメ元でも一度は試してもらいたい手法です。

最後に

知財戦略を策定して、イノベーションを起こすには、このように、①自社リソースの整理②提携先あるいはその候補との交渉③技術の理解④企業をとりまく環境・リスクの分析⑤会計・税務分析、等の作業が必要になり、多様な知見を要します。当事務所ではこれを一気通貫でご提供させていただきます。下記よりお気軽にご相談ください。

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