ブランドの構成要素を特定して磨こう

知財戦略

同じ物体でもブランドで価値は大きく変わる

私が大学院で研究している内容でもあるのですが、ブランドは財務諸表には計上されませんが、本当に大きな価値を有します。例えば、自販機で80円で売っている紙コップのお茶。

同じお茶をデパートの喫茶店で出すと700円などという数字になります。仕入原価は同じです。ではなぜこれほどの価格差が生じるのでしょうか。本稿ではそのからくりを紹介します。

モノにブランドが乗ってコトに近づいている

上記の紙コップのお茶は正真正銘のモノです。しかしこれをデパートの喫茶店で提供すると別の価値が付加されます。丁寧な接客、居心地の良い雰囲気、美しい食器、清潔な店舗、眺望など。モノの上にデパートや喫茶店のブランドが乗って一種のコト消費に近づいていることで、大きな価値を生み出しています。

ブランドは見えない無形資産ですがそれが、お茶の価値を何倍にもするのであれば、これを育て管理することの重要性は計り知れません。

ブランドの構成要素は何か特定する

ブランドというと考えにくいので、デパートの商号や喫茶店の商号などの商標権を取っているとしてこの商標権の価値の構成要素を考えてみましょう。

デパートの商標の価値は、なぜお客がそのデパートに行くかから把握できます。おしゃれ、清潔、高級・・そういった顧客の評価する要素を維持し、育てていくことで商標の価値は高まります。

喫茶店の価値も同様に、丁寧な接客やおしゃれさ、清潔さなどから構成され、これを維持することが基本になります。

口コミで価値が乱降下する

上記のような構成要素はただ内的に頑張っているだけではなかなか評価されません。口コミが広まって爆発的に評価が高まったり、逆に落ちたりします。そのため、構成要素の価値を維持できていると感じている場合、我慢強くそれを続けることが大事であり、特に接客や店舗の清潔さなど、油断するとすぐに水準を落としてしまう要素について不用意に悪い口コミを喚起しないことに注意する必要があります。

まとめ

ブランドは同じモノを高く売るための重要なツールであり、これを構成要素に落とし込んで価値を高める取り組みが重要です。

当研究所では無形資産の価値評価に詳しい弁護士・弁理士・公認会計士が御社のブランド育成に貢献いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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