事業承継の効率的な進め方の手順
事業承継を行うと、事業の主体が完全に変わってしまいます。事業の譲渡人にとってはできる限り高い価格で譲り渡したい、譲受人にとっては、事業を支障なく譲り受けたい、従業員にとっては自身の雇用と待遇の安全を確保してほしい、といった思惑が交差します。それゆえ、事業承継は計画的に、多くのステークホルダーの意向に沿ったかたちで行われる必要があります。
経営課題の可視化
まず最初に、事業承継の手続きをスムーズに進行させるために、経営課題など会社の現状を可視化します。大きな問題を抱えた企業は誰も承継したくありません。そのため、まずはその事業にどのようなリスクや課題があるのかを明確に洗い出すことが大事です。
このリスクや課題は、事業承継までに解決しておくことが理想的ですが、時間的に解決が困難であったとしても、解決が不可能ではない、解決の道筋は立っているという状態であれば事業承継には支障はないでしょう。
後継者候補の選定
次に、後継者候補を選定します。これは、事業承継において最も大切なプロセスであり、経営者として十分な資質を持った人材を探す必要があります。
早い段階で後継者候補が見つかったら、まずは役員や、重要部門の部長職等で、企業の実務に触れてもらうことも大きな方策です。これにより、後継者候補は会社の実情を把握してから事業を承継することができ、従業員との人間関係構築も事前に行うことができます。また事業の譲渡人にとっても、後継者が適切な人材であるか見極めることが可能です。
会社の磨き上げ
続いて行うべきは、自社の価値を高めることです。特にM&Aで事業承継する場合は、会社の磨き上げによって、M&Aの相手が見つかりやすくなるだけでなく、希望どおりの条件で会社売却できる可能性が高まります。
具体的に行うのは、例として以下のようなものがあります。
- 主力事業の収益性、安全性の向上
- 不採算事業のテコ入れ、整理
- 人員整理、有休資産の処分
事業承継計画の策定またはM&Aの実行
親族や従業員に対して事業承継を行う場合は、事業承継計画の策定が肝要です。また、M&Aを活用して第三者に事業承継する場合には、M&Aを実行する段階に移行します。
まとめ
以上のように、事業承継においては、幅広い範囲で専門的知見を有する者のサポートが必要になると想定されます。当事務所では、経営・法律・会計等を横断的に経験豊富な、相続・事業承継の総合専門家がワンストップで幅広い場面に渡って助言・リサーチ・交渉業務等を対応させていただきます。事業承継を考えられましたら、下記よりお気軽にご相談ください。
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