弁護士だから対応できる起業時の人事労務戦略

起業

まずは事業全体での業務の棚卸

起業する際には、仲間をどう集めるかも悩ましい問題です。難しい仕事や、自分のできない仕事をこなせる人材がいれば欲しいですが、当然、高いです。他方で、未経験の人を雇っても活躍してもらえるかわかりませんし、仕事を教えるのに時間や手間がかかっては、自分が仕事をする時間が減ってしまいます。

このように、起業時に人を雇おうとする場合、事業全体でどのような仕事があるかをすべて棚卸し、リストに書き起こすことが大事です。これにより、どの仕事を他人に任せて、どれを自分がこなすか整理することができます。

ノンコア業務を他人に任せて、自身はコア業務に注力するのがセオリー

先に記載した通り、能力の高い人材は高いですし、起業したてで信用力に劣る企業に来てもらえる可能性は高くないです。そのため、起業当時は、比較的簡単で、失敗しても取返しにつくノンコア業務を、経験の乏しい新人に任せ、自身は重要な業務に注力するというのがセオリーです。ノンコア業務を任せるなかで、コミュニケーションや信頼関係も構築されていきますし、仕事に慣れて成長していくことも期待されます。

コア業務かノンコア業務かは、業務の難しさだけでなく、業務の性質もふまえて考えましょう。例えば、銀行振込や通帳への入金などは簡単な業務ですが、まだ信頼関係を築けていない新人に任せるのはリスクが大きいため推奨されません。

スタートアップは業務がどんどん変動する

最初に事業全体での業務を棚卸すべきと書きましたが、起業してどんどん大きくなっていく企業では、業務内容もどんどん増加し、多様化していきます。この増加のスピードに合わせて的確に業務割り当ての修正や、追加雇用を行っていくことも必要です。

急な仕事の増加には、社員に無茶な残業をお願いしがちです。しかし、近時の働き手はワークライフバランスの確保に重点を置く方が増え、残業が増えるとすぐに辞めてしまう人も多いです。また、有給休暇などもきちんと活用する人も増えています。こうした労務上のルールもふまえ、会社の業務すべてがきちんと割り振られるよう割り当てを調整し続ける必要があります。

残業代・訓練費は原則、会社負担

残業をさせると、仮にその仕事が、従業員の手際が悪くて生じたものであっても、残業代を支払わなければなりません。また、例えば美容院で、熟練美容師を採用できないため、経験も乏しい美容師見習いを雇い、人形相手にカットの練習をさせた場合、この時間は職業訓練費として、給料を支払わなければならないケースが多いと考えられます。ここで、強引に出費を免れようとすると労働基準監督署から厳しいしっぺ返しを受けるおそれがあるため、お勧めできません。

まとめ

以上のように、起業当初は人材は必要ですが、予算の範囲内でうまく自社に合った人材を揃えていくのは色々難しい点があります。しかし、労働案件や組織マネジメントに精通した専門家であれば、ここは冷静にさばくことができます。当事務所では労務・人事戦略について経験豊富な専門家がこの問題に的確にサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました