不祥事対応を通じたさらなるリスクマネジメント

リスクマネジメント

不祥事対応の重要性

企業で不祥事が発生した際、的確に対応する必要があります。さもなくばステークホルダー信頼を損ね、さらに損失が拡大する可能性があるからです。そこで、不祥事が発生した場合、将来のさらなるリスクを管理するために、一般的に以下の対応を行います。

事実関係の確認

不祥事が発生した場合、まず事実関係を徹底的に把握します。この際、経営トップや、不祥事の発生した部署の管理職など、事実関係を歪曲・隠ぺいする動機や機会を有する立場の人間の話は慎重に聞いてそれが事実であるかどうか判断する必要があります。事実関係の中には、例えば個人情報や未成年者に関する事実等、公開にふさわしくないものが含まれる可能性もありますが、この段階では、こうした公開の適否は度外視して、とにかく事実関係を徹底的に洗い出し、不祥事の内容や影響を明確にすることが先決です。

不祥事の概要について公表・謝罪

不祥事の事実関係が確認できた段階で、まずは概要を公表して謝罪するのが望ましいです。ここでは誠実に陳謝しつつも、現時点で確実に把握できている事実のみを公表することが重要です。色々質問が飛ぶ可能性もありますが、この時点では、後日、事実関係を公表することを明らかにして、未確定の事実や推測事項などをうかつに話さないことが重要です

原因究明と改善策の策定

事実関係が整理された後、不祥事の原因究明を行います。特定の役職の人間を守るなどの先入観や結論ありきではなく、公平な立場で、不祥事の本質的な原因を究明する必要があります。これにより、同様の不祥事が二度と発生しないよう効果的な改善策を策定することが可能となります。

不祥事関係者の処分

不祥事の始末に関する結果を公表するにあたり、誰が原因であり、どのような処分を下したのかは、外部のステークホルダーからは厳しく追求されることが多いです。関係者を処分しないままでは改善策としては不十分で、同様の不祥事を繰り返すのではないか、という不安を抱えることはもっともなので、この点は厳しく対応する必要があります、長年企業に貢献してくれたなどといった理由で、内部的には処分は軽くしたいと考えても、ここは不祥事の社会的な影響に相応する処分をきちんと行わなければ、信頼を回復することはますます困難となりがちです。

事実関係と再発防止策を公表

最後に、把握した事実関係と、策定した再発防止策を公表して、外部ステークホルダーの納得をとりつけます。公表する事実関係は必ずしも把握したすべてではなく、企業秘密や秘密性の高い個人的な事実関係などはうまくぼやかすのもテクニックの1つです。しかしながら、近時、SNS等を通じて様々な情報が飛び交い、明確な虚偽情報や辻褄のあわない説明などは徹底的に糾弾されるケースが目立ちます。結論を先に決めてそれに合わせた説明をしようとするのではなく、公表できる範囲の事実は誠実にありのままに公表することが、将来のリスクを排する基本的なスタンスとなります

当研究所では、弁護士・公認会計士双方の立場で不正対応経験の豊富な専門家が対応しております。不祥事対応についてお悩み事がありましたら、下記よりお気軽にお申込みください。

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