グループシンクに陥らないよう、専門家の教育者としての活用を

リスクマネジメント

リスクマネジメントの流れとグループシンクの虞

リスクマネジメントは一般に以下の手順で行われます。

  • リスクを検出する
  • 検出したリスクのインパクトを測定する
  • リスクのインパクトに応じた対応策を選択する
  • 対応策が効果を出しているかモニタリングする

これらの手順は、1つ1つ慎重に行われるべきものですが、例えば有力な役員の肝いりプロジェクトなどでは、プロジェクトの実行ありきで検討が進められ、個々のリスク評価がかなり過少評価されることもあります。これをグループシンク(浅慮)といいます。

リスクを管理するためにメンバーを集めているにも関わらず、その検討を疎かにしてアリバイ作りだけするということは、組織の安定的な発展のためには看過できません。そこで、今日はその対策を検討します。

グループシンクの対応策

一般に、グループシンクへの対応策としては以下のような対応が挙げられます。

  • 小グループに分割してのディスカッション
  • 既定路線の案以外の対案を増やす
  • 全員に積極的な意見を促し、これを可視化して共有する
  • リーダーを再教育する

リスクマネジメントコンサルタントの教育者としての活用

リスクマネジメントの検討に、弁護士やコンサルタントを入れる場合、上記の対応策を参考に以下のような手法が可能となります。

  • 若手の意見を引き出すなどチーム全体の議論のファシリテート
  • 効果的な(意地悪な)対案の提案
  • リーダー、フォロワー双方への教育

これらにより、安易に考えがちであった事項を慎重に行うべきことを気づかせ、議論のポイントを提示することができると、検討に呼ばれた成果があったといえるでしょう。

必要なのは幅広い知見と経験

こうしたコンサルタントには幅広い知見と経験が要求されます。なぜならば、グループシンクに陥るチームは、1つの観点でしか問題を検討していないことが多く、コンサルタントはより多面的に問題点を考えさせる役割が求められるからです。たとえば、

利益の観点からのみ、プロジェクトを検討しているチームに対して、法律上の問題点や技術上実行可能性があるかどうかという別の観点を気づかせる

企業間競争の観点で議論が白熱しているところに、直近の損得だけでなく、人材育成や無形資産の蓄積といった中長期的観点を気づかせる。

といった役割です。

まとめ

以上のように、リスクマネジメントが浅慮に陥らないよう、幅広い知見や経験を有する専門家を居行く機能に着目してチームの入れることは大きな意味を有します。当研究所では、経験豊富な弁護士・公認会計士が、御社のチーム全体の高度化を試みながら最適なリスクマネジメントのご提案につなげるサービスを行っています。下記よりお気軽にご相談ください。

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