「サトウのごはん」が品薄で一部販売終了へ
新潟のサトウ食品が出しているパックご飯「サトウのごはん」がお米の入荷不足が理由で実に17品目を終売、5品目を休売とすることを発表いたしました。
いろんなものが品薄で値上がりする中、大手業者は契約農家と提携しているため、例えばスーパーでは野菜が値上がりする中でパック野菜はこれまでとほぼ同じ価格で販売しています。このように、大手のパック商品を選べば品薄時にも通常価格で食料を調達できる・・・というのがこれまでの定説でしたが、今回のサトウのごはんの件でその定説も崩壊しました。大手業者の食材調達力は偉大ですが、あまりに品薄が続くと、大手業者でも対応しきれなくなるのです。
そこで本稿では、こうした品薄で様々な食料品の購入が難しくなった際の対応策を検討したいと思います。
米は日本の数少ない自給できる食品ではなかったのか
就職氷河期世代である私は小学校の社会で、日本の食料自給率は低いが、米は貴重な自給率の高い生産物だと教わりました。お米が家庭にあるのは当たり前で、生産能力は十分にある。だから、農家が普通にお米を作れば余ってしまい、値下がりして労働の安売りになってしまうため、減反政策でお米の生産を減らす政策が進められました。その結果が今年のこの騒動です。
食生活も多様化してお米を食べる人は少なくなりましたが、米がなくなると今度は輸入する小麦やその他農産物が値上がりして物価高騰がさらに進んでしまいます。今回の騒動で備蓄米が価格高騰のストッパーになれるのであれば、米は十分に余裕をもって生産し、不作時などの余計な値上がりを避ける取り組みをしっかりと進めていく必要があります。
野菜や卵も恒常的に品薄になるおそれ
近時、野菜や卵も品薄状態が続いています。野菜に関しては気候によって生産が左右されるため、調整は難しいのですが、白菜もレタスもこの冬ずっと高かったので、この冬は私はほとんど鍋料理にする機会がありませんでした。
卵は鳥インフルエンザが原因なのでもっと調整は難しいですが、本当に鳥インフルエンザが拡大すると、我々は卵を食べられなくなる日が来るかもしれません。
お米がこうして深刻な品薄による高騰が続いていますが、今は大手スーパーチェーンでパック野菜は比較的安く購入できていますが、いずれこれも限界があり、卵もまだまだ高騰する可能性は否定できません。そのような中、米だけでなくこうしたあらゆる食料品が、ちょっとした気候変動などを理由に品薄による高騰が起きるかもしれないことには十分注意が必要でしょう。
世界でたんぱく源戦争が起きる可能性
卵の問題もありますが、鳥インフルエンザでもっと深刻なのはたんぱく源です。中国も含めた先進国では女性の躍進もあり、少子化が進んでいますが、インドやアフリカなどでは人口増加が進んでいます。先進国では人口減少でもその他の国で世界人口が増加すれば世界のたんぱく源は争奪戦になってしまいます。繁殖のことを考えずにただ親の生物を狙い、そうすると肉も魚も加速度的に減少が進んでしまいます。
そうなった際に起こるのはたんぱく源をめぐる戦争。アフリカでは野生動物の乱獲が進むでしょうし、日本は近海の魚を守るために太平洋沿岸諸国と闘わなければならないかもしれません。そうした争いに日本が果たして本当に勝ち抜けるかどうかについては疑問を抱く方も多いのではないかと思います。
食料自給と安定供給を1から考え直すべき
このような状況の中で、日本がなすべきなのは、まずは自給できる農産物をしっかり育てて収穫することです。特に米はまだまだ日本の領土に余力のある農作物なので、今回の件で減少した備蓄米もしっかり回収できるレベルにまでまず生産を回復させることが必要です。
そのうえで、昨今、日本産のイチゴなどの農産物が海外に高く買われている事情もふまえ、農産物の品質確保や権利確保も進め、より良い「日本産」を開発し、海外に高く売っていくことも避けられないでしょう。
こうして、まずは日本の領土で生産できる農作物を増やし、安定生産できるようにし、そのうえで品質を向上させることに注力すれば、日本は今とは逆に農産物輸出国として、自国の供給を確保しながら、農家の収入も安定させることができます。減反などもってのほかで、まずは生産し、次にクオリティを上げていくことが必要です。
まとめ
日本産の良いもの、例えばアニメや漫画などはようやく外国に売り出す体制が整備されてきましたが、まだまだ買いたたかれています。
食料品に関しては日本は海に面しているため魚の調達は諸外国よりも簡単かもしれませんが、まずは農産物をしっかりと生産しなければ、どんどんスーパーに並ぶ食料品の価格が高騰し、食糧危機に陥ってしまう危険が高まってしまいます。そのため、農産物をどんどん生産しながら、その品質を上げて海外に高く輸出する、そこまでの政策が不可欠だと考えられます。
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