静かに組織に距離を置く社員が増加
各種ハラスメント対策や、賃上げが全国で問題になる中、忙しさにかまけてこうした問題を先送りし続ける企業は多いです。しかし、その先には従業員の造反しか待っていません。
目に見えるかたちで造反しないにせよ、静かに、目に見えないように造反するケースが増えています。例えば、残業を拒否して早々に帰ってしまったり、意図的に生産性を落としたりするような造反です。アメリカではこうした傾向を「静かな退職」と呼ぶようです。本稿ではこうした「静かな退職」の要因と対策を整理します。
意欲ある従業員は成長したい
従業員をつなぎとめる手段としては、賃上げをまず想像するかもしれませんが、従業員は給料はたくさん欲しいものの、劇的に増えるとは思っていません。それよりも、職務内容が重要です。
意欲ある従業員ほど、1つ1つの仕事の中で成長したいと考えています。そのため、意識の高い従業員には、キャリアプランを聞きながら、できる限りやりたい仕事を任せてあげることが、その従業員の在籍期間を長くしたうえで、組織の生産性を高める工夫になります。
間違っても単純作業を任せるのは失敗で、逆に意欲ない人材に単純作業を任せるとうまくいく可能性があります。
組織への貢献度に応じた賃上げを
先に職務内容を調整した後に、賃上げです。一律全社員賃上げするのではなく、組織に対する貢献度の高さに応じて、より貢献度の高い従業員ほど賃上げの幅を増やす調整が必要です。これを怠ると、組織への貢献度の高い、優秀な従業員ほど簡単に転職してしまいます。
組織への貢献度は、個々の従業員毎でベースが異なるので横並びの評価が難しいのですが、評価人を増やすなどして、様々な観点から、例えば無茶ぶりに答えてくれたなどの評価要素を拾い上げて丁寧に賃上げ幅を調整する必要があります。
ハラスメントは撲滅、陰口も
例えばランチの際に、他人の悪口を聞いてどう思うでしょう?「自分も陰で言われているかもしれない?」と思う方が多いのではないでしょうか?
ハラスメントや悪口は、自分が対象でなくとも心地よいものではなく、従業員の快適な職場環境を守るためには、仮にその源が主力従業員であってもやめさせなければなりません。
最悪なのは現場任せにして経営陣が見て見ぬふりをすること。これでは、組織は空中分解してしまいます。
まとめ
従業員の引き留めは日に日に難しくなっています。賃金だけでなく、職務内容や職務環境も含めて総合的に、従業員に快適な居場所を提供する意識が不可欠です。
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