離婚を考えている際に触れてはならない相手【弁護士×CFPが解説】

離婚

離婚を考える際は心細い

離婚を考え始めたとき、多くの人は精神的な負担を感じます。これまで続いてきた夫婦関係を見直し、これからの生活を一人で考えなければならない状況になるためです。離婚するかどうかを決める段階では、気持ちが整理できず、将来に対する不安も大きくなりやすいでしょう。家族や生活のあり方が変わる可能性を考えるほど、心細さを感じるのは自然なことです。

また、離婚について考えていることを誰かに聞いてもらいたいという気持ちも強くなります。自分だけで問題を抱え続けることには限界があり、誰かに頼りたい、助けを借りたい、話を聞いてもらいたいという気持ちが募ることがあります。精神的に余裕がなくなると、普段であれば慎重に判断できることについても、相手の言葉をそのまま信じてしまいやすくなります。

しかし、注意しなければならないのは、こうした心細さを利用しようとする人が存在することです。離婚を考えている人は、夫婦関係について悩みを抱えていることに加え、生活やお金、今後の人間関係など、さまざまな不安を抱えています。そのため、親切に話を聞いてくれる人や、自分を理解してくれるように見える人に対して、通常以上に心を開いてしまう可能性があります。

適切な相手に相談し、必要な助けを得ることは重要です。ただし、相談相手を選ぶ際には、その人がどのような立場で、どのような目的で関わっているのかを冷静に確認する必要があります。寂しさや不安が強い時期だからこそ、相手との距離を慎重に考えることが大切です。

そこで本稿では、離婚を検討している時期に近づいてくる人物のうち、特に警戒すべき相手について解説します。

ハニートラップ

離婚を考えている時期は、夫婦間の関係がすでに冷めていることも多く、精神的な寂しさを感じやすい状態にあります。長く続いてきた夫婦関係の中で、自分が大切にされていないと感じたり、誰かに認めてもらいたいと思ったりすることもあります。こうした心情そのものは、離婚を検討する過程で決して珍しいものではありません。

そのような状況で、配偶者以外の異性から優しく接してもらうと、強く惹かれてしまうことがあります。話をしていて楽しい、悩みを理解してくれる、自分を肯定してくれると感じることで、相手に対する警戒心が弱くなることもあります。夫婦関係がうまくいっていないときほど、外部から与えられる好意を過大に評価しやすいためです。

しかし、離婚前の時期だからこそ、異性との関係には慎重になる必要があります。特に警戒したいのが、ハニートラップです。ハニートラップとは、恋愛感情や性的な関心などを利用して相手を誘導し、その後の交渉や紛争に利用できる材料を意図的に作る行為を指します。

不倫については、後からその事実を証明することが容易とは限りません。関係があったとしても、決定的な証拠を偶然入手できるとは限らず、当事者の認識と客観的な証拠との間に差が生じることもあります。そのため、相手が意図的に異性関係を作り、証拠を確保しようとする手法が問題になることがあります。

離婚前の人は、夫婦関係に対する不満や孤独感から、普段よりも他人からの好意に敏感になりがちです。その心理状態を利用されれば、自分では気づかないうちに相手の意図に沿って行動してしまう可能性があります。したがって、離婚を考えている時期ほど、異性からの急激な接近を単純な好意だと決めつけず、慎重な距離感を維持することが重要です。

ロマンス詐欺

離婚を考えている人は、配偶者との関係が希薄になっていることから、配偶者以外の異性に心を惹かれる機会が増えることがあります。誰かと話したい、自分の気持ちを理解してほしい、優しく接してほしいという感情が強くなれば、異性からの言葉が通常よりも大きな意味を持つことがあります。

現在では、オンライン上で異性と知り合う機会も非常に多くなっています。SNSやマッチングサービスなどを通じて、住んでいる場所や生活環境が異なる人とも簡単につながることができます。対面で会わなくても継続的に会話ができるため、孤独を感じている人にとっては、気持ちを紛らわせる存在になりやすい面があります。

しかし、オンラインで知り合った相手については、相手の実態を十分に確認できないという大きな問題があります。プロフィールに記載された情報や、相手から伝えられる経歴、仕事、生活状況などが真実であるとは限りません。画面上では親切で誠実に見える相手であっても、実際の人物像を把握することには限界があります。

特に注意が必要なのが、ロマンス詐欺です。恋愛感情や親密さを利用して相手との信頼関係を作り、そのうえで金銭を要求する詐欺があります。最初から金銭の話を持ち出すのではなく、時間をかけて親密な関係を形成し、相手が断りにくい心理状態を作ってから金銭的な要求につなげる場合があります。

離婚直前の人は、夫婦関係の中で満たされなかった気持ちを、別の相手との関係によって埋めようとすることがあります。寂しさが強いほど、相手への警戒が弱くなる可能性があります。オンラインで出会った異性については、優しい言葉をかけてくれることだけで信用せず、顔が見えない相手と関係を築くことには一定のリスクがあると認識しておくことが大切です。

素人コンサルタント

現在では、離婚や夫婦問題に関するさまざまなコンサルタントが存在し、SNSなどを通じて情報を発信しています。離婚について検索していると、相談サービスやカウンセリング、各種のアドバイスを提供する人を目にする機会も増えています。

相談することで気持ちが整理されることもありますし、誰かに話を聞いてもらうこと自体が精神的な支えになる場合もあります。ただし、離婚に関する重要な判断を任せる場合には、相談相手の資格や専門性、実績などを慎重に確認する必要があります。

特に注意したいのは、公式な資格や明確な専門的裏付けを持たないコンサルタントです。肩書きやSNS上の発信が魅力的であっても、それだけで離婚問題に関する十分な知識や経験があるとは判断できません。法律、財産、生活設計など、離婚には複数の専門領域が関係するため、単に相談に乗ってくれることと、適切な専門的助言ができることは同じではありません。

また、相談相手がどこまで親身になってくれるのかも、事前には判断しにくい部分があります。SNSでは親しみやすい言葉で接していても、実際の相談では十分な時間が確保されなかったり、相談者の事情を深く確認しないまま一般論を提示されたりする可能性があります。表面的な印象だけで判断しないことが重要です。

さらに、相談サービスには費用が発生することがあります。精神的に弱っているときは、安心感を得たいという気持ちから、必要性を十分に検討しないまま高額なサービスを契約してしまうことがあります。離婚は生活に大きな影響を与える問題だからこそ、誰に相談するのかだけでなく、何に対していくら支払うのかについても冷静に確認する必要があります。魅力的な肩書きや親しみやすい印象だけを根拠として、大きな金銭的負担を負わないことが大切です。

売れない弁護士

離婚問題を相談する専門家として、弁護士は重要な選択肢になります。しかし、弁護士であれば誰に相談しても同じというわけではありません。弁護士の間にも、取り扱う分野、経験、相談件数、事務所の経営状況などに違いがあります。

弁護士の中には、多くの顧客から依頼を受けている人もいれば、依頼件数が少ない人もいます。依頼が多い弁護士は、時間や人員に限りがあるため、受任する案件を慎重に選ぶことがあります。特に、依頼を受けても結果につながる可能性が低い案件については、無理に受任せず、相談者に別の方法を勧めることもあります。一方、依頼を増やして売上を確保しなければならない弁護士の場合、案件の見通しを十分に検討しないまま受任する可能性があります。

離婚問題では、調停や裁判を申し立てれば必ず希望どおりの結果になるわけではありません。法的な主張には、それを裏付ける事情や証拠が必要であり、相手方の対応や裁判所の判断など、本人の希望だけでは決められない要素もあります。そのため、依頼する前に、どのような見通しがあるのか、どこに問題があるのかを冷静に説明してもらうことが重要です。

弁護士に相談する際には、単に「依頼を受けてくれるか」だけを見るのではなく、受任する理由や、手続を進めることによる負担についても確認する必要があります。勝算の低い案件についてまで積極的に手続を進めれば、時間だけでなく弁護士費用や精神的負担も大きくなる可能性があります。離婚問題では、手続を始めることそのものが目的ではありません。自分の状況を客観的に把握し、必要な手続なのかを見極めたうえで専門家に依頼することが重要です。

まとめ

離婚を考えている時期は、夫婦関係に悩んでいるだけでなく、精神的な孤独を抱えやすい時期でもあります。誰かに話を聞いてもらいたい、自分を理解してもらいたい、支えてもらいたいという気持ちが強くなることは自然です。しかし、その心細さにつけ込もうとする人がいることには注意しなければなりません。

特に警戒したいのは、異性として近づいてくる相手です。離婚前の心理状態につけ込み、意図的に親密な関係を作ろうとするハニートラップには慎重になる必要があります。また、オンラインで出会う相手については、実際の人物像を確認しにくいため、ロマンス詐欺にも警戒が必要です。

SNSなどで知った離婚コンサルタントについても、肩書きや親しみやすさだけで信用することは避けるべきです。専門性や資格、費用、サービスの内容を確認し、自分に本当に必要な支援なのかを冷静に判断することが大切です。

そして、弁護士についても、資格を持っているというだけで安心するのではなく、相談内容を踏まえて手続の必要性や見通しを率直に説明してくれるかを確認する必要があります。離婚を考えているときほど、寂しさや焦りから判断を急がず、自分の利益を守るために相談相手を慎重に選ぶことが重要です。

当研究所では、離婚案件は感情的にならず、近視眼的にならず、長い目線で人生をより良い方向に転換できるかを重視した対応を心がけております。下記よりお気軽にご相談ください。

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