資金繰りを感覚的に把握するために理解しておくべきここだけは!

事業再生

会社を窮地に陥れないためには何より資金繰りの安全性が第一

黒字倒産の例もあるように、利益があがっていても事業再生や破産手続を行わざるをえないケースがあります。事業不振で会社を畳むのはやむをえない面がありますが、経営は悪くないにも関わらずこうした事態に陥るのは何としても避けたいところです。

事業活動は悪くないにも関わらず事業再生に陥る基本的なケースは資金繰りの失敗です。資金繰りは帳簿を見れば月次で認識することはできますが、いざ資金繰りを確認する必要のあるその時の状況は計算しなければ出てきません。毎度毎度経理に計算させるわけにはいかないため、ある程度は経営者自身が感覚的に資金繰りを把握する必要があります。

本稿では、資金繰りを正式に計算せずともある程度の状況を感覚的に把握するために最低限押さえておくべきポイントを整理します。

キャッシュコンバージョンサイクル

すべての取引が現金処理であれば資金繰りを気にする必要性は大幅に低減されます。それができないのは、通常は掛商売だからです。売掛金が現金化するまで、買掛金を支払うまで、棚卸資産が現金化するまでタイムラグがあることが問題です。

そこで、自社のこのサイクルをまず把握することが有効です。売掛金の現金化に必要な日数は365/(年間売上/売掛金残高)で、他も同様の式で計算することができます。この数値を把握し、全体としてのキャッシュコンバージョンサイクルを頭に入れておけば、次の入金がいつ頃か感覚的に把握できるようになり、資金繰り上大変有効です。

非資金項目

減価償却費や引当金計上などは現金の出て行かない費用項目です。資金繰り上は有利に働くものです。こうした非資金項目が多ければそれだけ、思ったよりも現金残高は多く、逆に非資金項目が少ない場合、思ったより現金残高が少ないことが多いです。

非資金項目に頼ろうとするのは危険ですが、非資金項目でどの程度の数字が上がっているか把握していると、資金繰りをより正確に把握することができます。

非常の現金出入

急な事故等で出ていくお金等、通常の事業活動外から発生するキャッシュフローは個別に処理するよりほかありません。

そのため、こうした非常な現金出入はそのタイミングと金額をすべて覚えてしまうのが望ましいです。これは少し面倒くさい活動になりますが、これを行うと、その他の資金繰りは一連の事業活動の流れに沿って定型的に考えることができ、資金繰りの把握が実は楽になります。

まとめ

事業活動が順調な際は倒産の可能性など考えもしないのが普通ですが、資金繰りを1つ間違えばそこに陥る危険は常にあります。そうならないために、感覚的に資金繰りを把握する力が経営者には求められると思います。

当研究所では、数字に非常に強い弁護士・公認会計士・CFPが御社の資金繰りに関する多様なご相談に対応いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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