警察を騙る特殊詐欺の増加
特殊詐欺案件の増加は様々な媒体で報道されていますが、特殊詐欺の仕上げとして、警察を騙るケースが増えているようです。例えば、偽警察官から「事件に巻き込まれている。保釈金を支払えば逮捕は免れる」などと説明されたらどうでしょう?つい金銭を支払ってしまう方も多いのではないかと推察されます。
そこで本稿では、こうした警察を騙る特殊詐欺の被害に遭わないための方策を整理します。
センシティブ情報はメールや留守電には絶対に入らない!
特殊詐欺において、いきなり警察が出てくるケースは多くなく、最初は「電気代の未払が発生しています」などといった「ジャブ」が来て、これを真に受けて対応した方にさらなる詐欺のステップが進んでいくケースが多いと言われています。
しかし、刑事犯罪の事実はもちろん、代金未払で訴訟になるかもしれないといった情報などのセンシティブ情報がメールで伝達されたり、留守電に入ることはまずあり得ません。つまり、メールや留守電に知らない先から送られたメッセージは無視一択で、対応すべきでなく、このことを認識しているだけでも犯罪被害はかなりの程度回避できるでしょう。
「無料」診断は断った方が良い
昨年、一軒家などに突如、屋根裏の無料診断に訪れる業者が増加し、特殊詐欺や強盗の下見ではないかという報道が広まりました。
仕事をとるために無料サービスを提供している業者は多く、屋根裏などを無料で診断します、という業者を一律に怪しむのは不合理ですが、ここで考えるべきは、「真の無料サービスなどない」ということです。
その診断業者が仮に強盗の下見ではなかったとしても、無料診断の後に、有料の改修工事の営業があるのは目に見えています。営業を苦にしない人は良いですが、多くの方は営業対応は面倒くさく、それならば、営業行為につながる無料サービス自体を断ってしまう、という意識も大切です。
電話番号を信用するな、LINEなどSNSには引き込まれるな
警察を騙って出てくる場合、相手もそれなりに警察を想起させる電話番号やメールアドレスから連絡してきます。しかし、電話番号をネット検索にかけたり、メールアドレスをよくよく観察すると、怪しい先であることを見抜くのはそう難しくないはずです。
また、詐欺事案では必ずといってよいほどLINEなど、後で証拠隠滅しやすいSNSへの誘導がなされがちで、このことを知っていれば、LINEへの誘導は怪しいな、と詐欺行為に気づける可能性は高まります。
警察を騙って出てきた場合、通常は驚きますが、落ち着いて連絡元を確認したり、SNSへの誘導を怪しむことができれば被害を回避することは簡単です。
保釈金は逮捕された後の話
「逮捕されないために先に保釈金を払え」というのは弁護士的には思わず鼻で笑ってしまう稚拙な文句です。保釈金というのは既に身柄を拘束されている人がその拘束を解くために支払うもので、逮捕されていない段階で支払うことはできませんし、裁判所への現金納付が原則で、銀行振込等による支払もできません。
保釈金はそういうものだという意識は根付いてほしいと思いますが、せめて支払う前に弁護士に相談いただければ一瞬で解決できる話で、身近に弁護士がいれば、送金前に少しの時間でも相談してみてほしいと思います。
まとめ
以上の通り、警察を騙る特殊詐欺案件などは素人には対応が難しい面はありますが、この記事で書いたポイントを遵守するだけでもかなりの確率で被害を回避できるでしょう。
当研究所では、特殊詐欺対策にも詳しい弁護士がこうした案件への対処法を全方位でサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。
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