美容室が三重苦?まだまだビジョンがあれば乗り切れます!

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美容室の倒産、経営悪化傾向が顕著

帝国データバンクによると、美容室の倒産件数が前年比で2割以上増え、経営を続けている店舗でも経営悪化を感じている企業が半数超に上っています。
人の髪は伸びるので、散髪需要は決してなくならないはずですが、美容室の倒産が進んでいるのは、決して大手による寡占や、人口減少だけで説明できるものではありません。美容室の苦境の原因を調査すれば必ず生き残り策は見つかります。
周囲で誰が美容室を使っていますか?どんな満足を求めてその美容室を利用していますか?その点を考えればこの問題の答えは見えてきます。そこで本稿では、美容室の経営悪化の要因と、その改善方針を説明します。

三重苦?

美容室業界は三重苦にあえいでいると言われています。1つ目は人手不足、2つ目は物価高、3つ目は競争激化だと言われます。もっともらしいように見えて、この3つ並べて、何かおかしいと感じないでしょうか。1つ目の人手不足と3つ目の競争激化ははっきり矛盾しています。
美容室業界のプレーヤー自体は増加しています。ヘアカットやそれにまつわる仕事で顧客に喜びを与えながら生活していきたい、美容室業界にやりがいを感じる層は多いのです。そのため競争は激化傾向なのですが、当然、いきなり上手くカットできる人は少なく、見習い層を採用して育成することはいくらでもできますし、熟練スタッフも十分な報酬を支払えば採用できます
要は人手不足は、経営者が人件費を削減したいだけの話であり、解決はそう難しくありません。

顧客に提供する「機能」は何か?

美容室はサービス業であるため、顧客に提供する機能が何であるかをまず明確にする必要があります。ここで、提供する機能を「散髪」にしてしまうと、QBハウスに絶対に勝てません
QBハウスは多店舗展開でスケールメリットを出していますが、決して安かろう悪かろうではなく、きちんとクオリティも保障しています。その背景には、美容師希望の若手スタッフをしっかりと集め、圧倒的な理髪の機会を提供して「成長できる」環境を提供していることが大きいです。
美容師志望の若手っとしてはどこで働いても大した報酬っはもらえない。ならば、QBハウスで徹底的に腕試しするのが最も成長に近いのです。
こうして美容室が最も欲しい「安くて成長意欲の強い若手」をQBハウスにとられてしまうため、同社相手には勝ち目はありません。

ニッチ市場で先発者優位を築け

こうして、美容室は顧客にどんな機能を提供すべきかをまず整理しなおす必要があります。要は提供する機能で差別化できれば、大手にも勝てるのです。大手や地元の競合店がまだ提供していない機能をみつけて、その第一人者になれば、比較的スムーズに集客できますし、先発者としてノウハウも獲得し、後発者との差も広げることができます。
ほとんどの美容師はオーソドックスな美容室を経営したいと考えますが、それでは大手に競り負けますし、人も客も集まりません。そうではなく、顧客が価値を見出すが、まだ競合があまり進出していないニッチな市場を見つけて、そこで第一人者になれば、美容室市場全体での客は簡単には減らないため、まだまだ町の美容室にもいくらでも勝ち抜くチャンスがあります

店舗のストーリーを描こう

町の飲食屋。どの店がおいしいかなんて我々には入る前からわかるはずがありません。それでも我々が選ぶ店には、必ず何らかの惹きつける要素があるはずです。それは口コミであるケースは多いのですが、必ずしも口コミだけで選ぶわけではないでしょう。
有名な店主や、奇抜な内装の店があった場合、我々はその店を選びがちです。SNS映えするからでもありますが、そうした店には「ストーリー」があり、それを知りたいからつい入店するのです。
美容室も同じで、いきなり腕の高さを顧客に示す術はありません。そのため、まずは自分の生きざまなど、周囲の共感を得られるストーリーを抽出し、それを潜在顧客にアピールする事が顧客開拓と定着のために有効な手法です。

まとめ

美容室は、市場自体は激化していますが、顧客総数が大きく減少しているわけではなく、要は現代の潮流に合わせてシフトチェンジが必要だということです。そのシフトチェンジが正しい方向性であれば、必ず顧客も従業員もついてくるため、若手を雇い、育てながら自身の目指すビジョンを実現することが可能になります。美容室市場は縮小市場ではないため、戦い方次第でどんな企業も必ず成功できるのです。そのシフトチェンジの方向として、顧客に提供する機能を意識し、ニッチ市場を特定して、さらに自社のストーリーを示すことが大事です。
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