終活を考える人が増加
定年退職して、まだ働けるので再就職して資産を貯めて二度目のリタイアをしたあたりで、まだ健康だけれどそろそろ終活を考えたい、という相談が増えます。
まだ健康である以上、相続に急いで備える必要はありませんが、終活は、負担の感じない範囲で少しずつ始めた法が良いでしょう。そこで本稿では、この終活の始め方を順を追って説明したいと思います。
目的は円滑な相続
人生100年時代と言われる通り、医療の発達した現代では80歳でも元気な方が多く、相続が発生するのは、事故に遭わない限りかなり遅いでしょう。
ただ、実際に相続が発生する前はほとんど準備ができないと予測されることから、円滑な相続を実現するためには、元気な内に少しずつ準備しておく必要があります。
また、亡くなるのは当面先であったとしても、痴呆と認定されたら銀行預金をおろせなくなるなど、様々な不都合が生じるため、痴呆になる前に、もしそうなったら困ることに先に対処する必要もあります。
相続財産の見える化を
終活の基本は相続人と相続財産を明確にしていくことです。前者は簡単で戸籍を見れば確認できますし、後は相続人が先に亡くなった場合などに調整していくことで確実に把握することが可能です。
他方で、相続財産の明確化が大変難しいです。具体的には、家には存在するが誰の所有物かわからないものが相続財産にあたるかどうか、と、相続人の知らない未知の財産の存在です。
そのため、終活では、不要なものは思い切って処分し、配偶者や子らに与えるものはハッキリ贈与して所有権を明確にすることがまず第一歩になります。
デジタル資産を解約していく
一方で相続人が知り得ない財産の存在として昨今、デジタル資産の問題があります。
高齢者でもパソコンやスマホを扱う中で、デジタル資産を保有することは多いです。しかし、預貯金なら通帳があればそれがあると推測できますが、デジタル資産はあるかないかわかりにくいですし、仮にあったとしても、ITやPWが不明な状態では換金が事実上困難なものもあります。
そこで、痴呆になる前にPCやスマホ内の資産は換金してしまうか、財産目録に書き出しておくことが必要になります。
相続人の関係性に配慮
相続財産をどこまで見える化するかは相続人の関係にも依ります。盗難のおそれがなく、相続人の関係も円満である場合、たんす預金で保有していても大きなリスクはないかもしれませんが、相続人間がギスギスしている場合、タンス預金での保管は大変危険です。
相続財産として何がどの程度あるかを事前に知らせると欲が出る相続人がいる場合も同様で、相続人の様子を見ながら適切な形で見える化をしていかなければならない点に注意が必要です。
まとめ
終活はで、最終的には円満な相続のために、元気な内にできることをやっていくもので、相続人の属性をふまえながら適切な方式で進めていく必要があります。
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