相続財産を効率的にすべて洗い出す方法

相続・事業承継

相続財産特定の必要性

相続・事業承継はとにかく、相続の対象となる方の相続財産全体をとらえることが必須です。しかし、これは本当に難しい作業。誰のものかわからないものがあったり、他人のものだと思い込んでいるケースも多々あるからです。

相続財産の過不足の原因

相続財産の確定には、あまり専門家は関与しません。ご本人が記憶を喚起しなければ、話が進まないことが多く、そのような時間の経過についてチャージするのは不適切だからです。そこで多くの専門家は、

「誰の財産であるかは事実上の問題なので、当事者間で整理して結果だけ教えてほしい」

という対応になりがちであるため、このポイントで相続・事業承継が進まないというケースが増加傾向にあります。

他方で、「何となく話していれば見えてくるだろう」と、方向性を定めずに会話をするだけで費用請求する専門家もおられるので、注意が必要です

相続財産不足の原因

被相続人に相続財産の全容を聞けばわかる、と油断しがちの相続財産の特定ですが、被相続人自身の事情で相続財産全体を把握できていないケースもよく見受けられます。例えばワンマンオーナーが会社財産と個人財産を混同していたり、夫婦間で所有主が曖昧になっている財産があるケースです。不動産であれば所有主は登録されていますが、動産はそうした制度はなく、本来の所有主と、事実上の占有者のどちらが本当の所有主かという問題が生じます。この場面では、過去の契約書や費用の請求書、通帳上の引き落としの実情などを総合して実質的に誰が所有主であるかを判断することとなります。例えば、名義上は他人の車であっても、ローン費用をすべて支払っているような場合、実質的な所有主は費用を支払っている方であると認定されることが多いでしょう。

 逆に、自分の財産だと先代から信じてきたけれども、事実が異なったり、他人が占有し続けたため時効取得されたりという、所有権喪失事由も生じやすいです。こうしたハプニングにも備える必要性が高まっています。

相続財産確定の難しさへの対応

以上のように、相続財産の確定には、専門家はあまり関与しませんが、実は非常に難しい大きなポイントです。相続財産の所有主の判別には、所有権に関する法律の理解が不可欠です。そのため、弁護士に相談を・・と言いたいところですが、相続財産の確定のために弁護士費用を支払うのは割りに合わないという不安はごもっともです。そこで、法律・税務等を横断的に理解している専門家に、まずは相続財産の確定に範囲をしぼって相談するのがコスパ良い戦略かと思います。

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