組織が崩壊する「登用」してはならない人材とは?

顧問契約

業績は良いが退職者が続出する組織が増加

人手不足のこの時代、採用活動ではいかに優秀な人を確保するかばかり重視されがちですが、それよりも、いかに人を辞めさせないかという観点での採用も増えています。個人レベルでは仕事はできても、チーム仕事ではからっきしであったり、チームになじめない、いわゆる「コミュニケーションが苦手」な人はここに入ると思われますが、これはまだ全然マシな部類で、チーム仲間から嫌われ、あるいはチームメートに逃げられるような従業員は、いくら仕事ができたとしても組織を崩壊に向かわせてしまうため、絶対に採用してはなりません。
そこで本稿では、こうした「組織を崩壊させる」人材の特徴としてどのようなものがあり、そうした人材を認識したらどうすべきであるかを整理します。

登用してはならない人材1:ルールを守らない人

まず初めに、ルールを守れない人が真っ先に挙げられます。悪意はないがルールを守れない人間の例として、遅刻の常習犯や社内の締め切りを守れない人があり、悪意はなくても社内の空気が悪くなってしまいます。それは、皆、出勤時刻や内部締め切りのために必死に頑張っている中、当然のようにこれに遅れる人がいれば、誰も頑張って期限に間に合わせようとは考えなくなるためです。
これが故意であればもっと事態は深刻で、「自分だけ特別扱い」と思われると、周囲の信頼は一斉に退いていきます。たとえそれが些細なこと、例えば「会議で自分だけ紙資料を用意しろ」というような要望であったとしても同じです。組織に属して一緒に仕事をする以上は、組織の決まり事は、皆、一生懸命守るもので、それを守らない人間からは人が離れてしまいます。決まり事は全員例外なく守らせることは当然です。

登用してはならない人材2:自分のやり方を曲げられない人

次に挙げられるのは、自分のやり方を曲げられない人。氷河期世代の管理職にありがちですが、自分が若い頃は厳しく指導されたから、と部下に厳しくするというのは柔軟性の効かない昭和の人間で、これでは人がついてきません
一昔前は管理もずさんで、残業上等の根性論が強かったのですが、これはもう今の時代通用しません。それに気づかずに自分がされたのと同様の指導を部下にすると、本人にはその意識はなくとも、ハラスメントであり、周囲の人間は逃げてしまいます。
これがまだ、本人が無意識で行っているのであれば、より上位者からのフィードバックにより調整することはできるのかもしれませんが,故意にやっている人間はもう組織をつぶすために会社に来ている、とさえ言えるかもしれません。ハラスメントに注意し、特にハラスメントを受けたと主張する側にきちんと耳を傾けることも当然必要な施策です。

登用してはならない人材3:保身のために柔軟すぎる人

最後にコミュニケーション能力は高いが「ずるい」人間が挙げられます。コミュニケーション能力の高さを活かすのは強みの活用であり、普通は批判されるものではありませんが、上位者に取り入り、できない人間を馬鹿にする、自分のミスは誤魔化し、嘘も平気で言う。前項の人間と真逆ですごく柔軟なのですが、柔軟に自己中心的で、その結果、周りにしわ寄せがいってしまいます。
職場の悪口は、本人の前で言わなくとも、誰が聞いても不快ですし、自分も自身がいないところでは言われているのだろう、と組織内に疑心暗鬼を拡散し、内部分裂を起こしてしまいます。こうして意識的にせよ無意識的にせよ、自身のための言動が周囲に悪影響を及ぼす人間は組織の内部崩壊を起こしてしまいおそれがあるため、早めに手を打つ必要があります。

「登用」して権限を与える前に対処が必要

こうした人材を採用段階で見抜くのは困難ですが、仕事を一緒にする中で、相手を少しずつ知り、その危険度を把握することは可能です。この際、能力さえ高ければ自動的に出世させるのではなく、コンピテンシー評価、すなわち、組織としてのアウトプットの増加に貢献しているかも重視した評価が有効です。
本当に登用したい人材は部下を育てられる人材と思われますので、そうした側面を評価に盛り込み、逆に部下を育てられない人材は高い評価を得られない、そうした評価によって組織に悪影響を及ぼす人材に権限さえ与えなければ、むしろそうした人材の方が先に転職を考え始めます。こうして採用段階ではなく、仕事をさせてみた後の評価・登用段階でこうした人材を認識し、権力を与えないという方策が有効です。

まとめ

仕事が遅いとか、コミュニケーション能力が低い従業員は、労働生産性が悪くあまり出世できないかもしれませんが、組織への悪影響はあくまで個人レベルでの仕事量の少なさだけです。これに対し、周囲の人間が嫌がり、退職の検討を始めるような人材は、いくら仕事ができても組織を崩壊させてしまうおそれがあるため、権力を持たせる前に改善を促し、改善できないようであれば辞めてもらうしかありません。本人が無意識の場合もあるため難しいのですが、遅刻やハラスメント、社内の悪口はなくさせるよう務める必要があります。
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