安易にされた発信であっても企業には大迷惑
SNSの普及で様々な人がものすごい量の情報発信をしています。その中には個人や法人を不当に貶めるものも多く、放置していると勝手に自身や自社の評価がどんどん貶められてしまいます。
この状況への対策として発信者情報開示制度があるのですが、弁護士もこの制度の活用の助言は難しく、相手の情報がわかっても、そこから先、どれだけの抜本的な被害回復が見込まれるかは不透明な点が問題です。
そこで本稿では、迷惑な情報発信に対して弁護士に依頼して発信者情報開示をするメリットのあるケースを整理して紹介します。
発信内容が事実に基づいているかどうか
発信者情報開示は、主に名誉棄損等を理由に行いますが、名誉棄損等を主張するために最も重要な注目ポイントは、発信内容が事実に基づいているか否かです。
発信内容が事実であれば、原則としてその事実に対する批判は甘受すべきですが、事実でないことに対する不当な内容の発信は明確に違法です。
SNSは気軽に発信できるため、発信内容が本当に事実であるかを確認せずに憶測で発信してしまうケースも多いですが、そうした憶測で事実でない発信は対策すべき最高順位の標的となります。
評価が著しく偏っていないか
次に、事実は正しくても評価が著しく偏っている情報発信も規制の上位対象となります。
この種の情報発信は、とにかく誰かを社会悪と決めつけて叩くことでインプレッションをあげようというもので、事実に関わらずとにかく批判することありきであるため評価が最初から偏ります。
こうした自身のインプレッションありきの偏った評価をする発信は早めに叩く方がよいでしょう。
どの程度の効果が想定されるか
発信者情報開示の難しいところは開示してみないと相手がわからず、そのため数十万円の弁護士費用を支払ってまですべきか、効果も見通せないことにあります。
組織的なプロを捕まえられれば効果も大きいかもしれませんが、相手が未熟な中学生などであれば、そうした相手を攻撃することで、かえって自社の評価を下げてしまうことにもなりかねません。
効果の見通しにくいところですが、発信者の他の発信内容から相手の属性をできる限り把握し、どの程度の効果が予測されるかをできる限り読み解くことが必要です。
対策後のあるべき姿は?
最期になりましたが、対策をとったあとどうなりたいかをしっかりと描くことが不可欠です。
相手の情報発信によって被った損害をすべて賠償されるというのは無理があります。
特定した発信者に対して警告を発して業務妨害が止まれば良いのか、謝罪が必要なのか、損害賠償まで求めるかによってなすべき手段は異なります。
対策をとったうえでどうなりたいかをふまえて、最善の対策を講じることが必要です。
まとめ
不当な情報発信をそのままにしておくと企業の信用が大きく損なわれがちですが、かといって何でもかんでも発信者情報開示していると負担ばかり大きくなって成果が少ないということにもなりかねず、どこまで対応するかの線引きが難しいです。
当研究所では、ITにも詳しい弁護士が、御社の求める対策後の姿を実現すべく、広い視点から悪質投稿対策をサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。
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