無実の罪で逮捕された際に用意していないと詰んでしまうもの【弁護士×ITストラテジストが解説】

リスクマネジメント

急な逮捕の際に必要なもの

人が普通に生活していれば、通常は逮捕されるようなことはありません。犯罪をしていない人にとって、警察から突然身柄を拘束されるという事態は、日常生活からは想像しにくいものです。しかし、逮捕は必ずしも犯罪を実際に行った人だけに起こるものではありません。

逮捕されたからといって、その時点で犯罪を犯したことが確定するわけではありませんが、それでも、実際に逮捕されてしまうと、本人の生活は一気に大きく制限されます。外部との連絡、仕事、家族との関係、金銭の管理など、それまで当然のように自分で行っていたことができなくなるからです。しかも、逮捕後の時間は限られています。

このような状況では、逮捕されてから必要なものを探し始めても間に合わないことがあります。だからこそ、普段の生活の中で、万一の事態に備えて準備しておくことが重要になります。

もっとも、ここでいう「用意しておくべきもの」は、特殊な道具や特別な資格などではありません。普通に生活していれば比較的簡単に準備できるものが中心です。にもかかわらず、実際に逮捕されると、その存在の有無が非常に大きな意味を持つことがあります。普段は必要性を感じなくても、いざというときには代替が難しいものもあります。

逮捕は、誰にとっても突然起こり得る非日常的な出来事です。そのため、逮捕される可能性を現実的な問題として考えること自体に抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、無実であるからこそ、万一の身柄拘束に備えておく意味があります。自分の身を守るための準備は、犯罪を前提としたものではなく、誤解や行き違いによって不利益を受けないための危機管理でもあります。そこで本稿では、急に逮捕された際に備えて用意しておくべきものを解説します。

刑事専門のフットワークの軽い弁護士

事実関係を認めており、犯罪を行ったこと自体に争いがない事件であれば、国選弁護人による対応で十分な場合があります。

しかし、無実を主張する事件では、弁護活動に求められるものが大きく変わります。本人が一貫して犯行を否認している場合、単に裁判に備えて法律上の主張を整理するだけでは足りません。捜査の初期段階から、本人の供述内容を確認し、捜査機関とのやり取りを踏まえながら、どのような対応をすべきかを迅速に判断する必要があります。

特に重要なのが、弁護士のフットワークです。身柄を拘束されている本人は、自分で外部に出て証拠を集めたり、関係者と連絡を取ったりすることができません。そのため、弁護士との接見が重要な意味を持ちます。弁護士との接見を通じて、本人の認識や記憶を整理し、捜査機関から何を聞かれているのか、どのような対応をしているのかを確認しながら、今後の方針を検討することになります。

国選弁護人であっても熱意を持って活動する弁護士はもちろんいます。ただ、国選では必ずしも本人が望む頻度で接見できるとは限りません。弁護士には他の事件や裁判期日などもあるため、数日おきの接見になることもあります。無実を主張する事件では、この時間的な差が本人にとって大きな負担となることがあります。

そこで、事前に刑事事件を専門的に取り扱い、身柄事件について機動的に対応できる弁護士をリストアップしておくことが重要です。単に刑事事件を扱っているというだけでなく、逮捕・勾留された人の弁護に日常的に対応しているか、接見に迅速に動けるか、否認事件への対応経験があるかなどを確認しておく必要があります。

逮捕された本人は、突然自由を奪われ、冷静に弁護士を探すことができません。だからこそ、平穏な生活を送っている段階で、いざというときに連絡できる弁護士を決めておくことが大切です。

ここで大事さがわかる親族

親族がいるかどうかは、逮捕・勾留された本人の生活に大きな影響を与えます。身柄を拘束されると、それまで当然のように自分で行っていた生活上のさまざまなことができなくなります。外部との接触や物品の調達などにも制約が生じるため、本人だけでは対応できないことが増えていきます。

そのような状況で、本人を信用して支えてくれる親族がいることは大きな意味を持ちます。特に、本人が無実を主張している場合には、逮捕されたという事実だけを見て本人を疑うのではなく、本人の言葉を信じて支えてくれる存在が重要です。身柄を拘束されること自体が精神的な負担になるため、外部に自分を信じてくれる人がいるという事実は、本人にとって大きな支えになります。

また、親族は実務面でも重要な役割を果たします。留置施設での生活では、本人が自由に外出して必要なものを買いに行くことはできません。そのため、必要な物品を外部から届けてもらう差入れが重要になります。差入れには一定のルールや制限がありますが、身近な親族が対応できれば、本人が生活上の不便を感じる場面を減らすことができます。

さらに、逮捕された本人に代わって外部との連絡を担える人がいることも大きな意味を持ちます。本人が身柄拘束によって仕事や家庭に関する対応をできなくなったとしても、親族が一定の範囲で対応することで、生活上の混乱を抑えることができます。

もっとも、親族であれば誰でもよいわけではありません。重要なのは、本人の説明を聞き、逮捕されたという事実だけで本人を犯罪者扱いせず、必要な支援をしてくれる存在であることです。無実を主張している本人にとって、周囲の人間から一斉に疑いの目を向けられることは大きな精神的負担になります。

身柄拘束中は、本人ができることが大幅に制限されます。そのため、普段は当たり前だと思っていた親族の存在が、生活を支えるうえで非常に大きな価値を持つことになります。逮捕という非日常的な状況に置かれたとき、本人の生活を外側から支えてくれる親族がいるかどうかは、留置所内での生活に大きな影響を与えす。

お金

刑事事件への対応では、お金の問題も無視できません。無実を主張して争う場合、刑事専門の弁護士に迅速に依頼するための費用を準備しておくことが重要です。逮捕された後に本人が自由に資金を動かすことは難しいため、普段から一定の資金を確保しておく意味があります。

もちろん、弁護士費用は安ければ安いほどよいという考え方もあります。しかし、刑事事件では単純に料金の安さだけで依頼先を決めることが適切とは限りません。身柄事件では時間が重要であり、弁護士がどの程度迅速に動けるか、どのような弁護活動を行うかという点も重要な判断材料になります。

また、事件によっては、被害者との示談が身柄解放や不起訴処分などに向けた重要な要素となる場合があります。もちろん、無実を主張する事件では、事実関係を踏まえた慎重な判断が必要です。本人が無実であるにもかかわらず、何でも金銭で解決すればよいということではありません。しかし、刑事事件の解決に向けて弁護士から合理的な方策を示された場合、その実現のために必要な費用を出せるかどうかは、現実の対応に影響します。

身柄事件では、時間そのものに大きな価値があります。弁護士から身柄解放に向けた適切な活動を提案されたにもかかわらず、費用だけを理由に必要な対応を見送れば、その分だけ身柄拘束が長引く可能性もあります。そのため、必要な弁護活動を行うための経済的な余裕を持っていることは重要です。

刑事事件では、弁護士に「できるだけ安く済ませてください」と求めるだけでは、なかなか解決につながりません。無実を守るために必要な対応については、その必要性を理解したうえで、合理的な範囲で費用を投じる覚悟も必要です

職場との連携

逮捕された事実を職場に伝えることは、本人にとって非常に難しい問題です。無実を主張しているとしても、逮捕という言葉だけで周囲から犯罪者と受け取られる危険があり、本人としてはできる限り職場に知られたくないと考えるのが自然です。

しかし、身柄拘束が続けば、本人は職場に出勤できなくなります。連絡を取ることも自由にはできないため、職場から見れば、突然従業員が無断で長期間欠勤しているような状態になりかねません。その結果、本人が戻ったときに、職場との信頼関係が大きく損なわれている可能性があります。

犯罪を実際に行ったことが事実であれば、その内容や勤務先の規程、就業規則などによっては、懲戒処分や解雇が問題になることがあります。しかし、逮捕されたことと犯罪事実が確定することは別問題です。逮捕は捜査段階の身柄拘束であり、それだけで有罪が確定するわけではありません。

無実を主張しているのであれば、本人としては、逮捕されたという事実を理由に直ちに自分の職場での立場まで失うことは避けたいところです。そのためにも、可能な範囲で職場との連絡を維持することが重要になります。

ここで重要なのは、本人が不在となることによって職場に生じる業務上の穴を、可能な範囲で小さくすることです。

職場からすれば、従業員が突然いなくなれば、業務の引継ぎや人員配置などに問題が生じます。その点について一定の配慮ができれば、本人が戻った後の関係を維持しやすくなります。さらに、職場が本人を信頼してくれれば、復帰までの間に一定の理解や支援を得られる可能性もあります

無実を主張する人にとって、職場は生活基盤そのものです。逮捕されたからといって、刑事事件だけを考えていればよいわけではありません。身柄拘束によって発生する職場との関係にも適切に対応することが、社会生活を守るために重要です。

まとめ

無実の罪で突然逮捕されることは、通常の生活を送っている人にとって想定しにくい出来事です。しかし、逮捕はそれだけで有罪を意味するものではなく、捜査段階での身柄拘束にすぎません。

だからこそ、無実を主張する可能性がある人ほど、万一の事態に備えておくことが重要です。特に大切なのは、逮捕後に迅速に相談できる刑事事件に強い弁護士をあらかじめ把握しておくことです。身柄を拘束されてから弁護士を探すのでは、時間的にも精神的にも余裕がありません。

また、本人を信用して支えてくれる親族の存在も大きな意味を持ちます。身柄拘束中は本人が自分でできることが限られるため、外部から生活を支えてくれる人がいるかどうかによって負担は大きく変わります。

さらに、弁護士への依頼や事件対応に必要な費用を準備しておくことも重要です。刑事事件では時間が重要になるため、必要な弁護活動について費用を惜しみすぎないことが求められます。

そして、逮捕後の生活では職場との関係も無視できません。無実を主張するのであれば、逮捕された事実だけで社会生活まで失わないよう、必要な範囲で職場との信頼関係を維持することが重要です。

逮捕は突然起こる可能性があります。その瞬間になってから準備を始めるのではなく、平穏な生活を送っているときにこそ、自分の身を守るための体制を整えておくことが大切です

当研究所では、無罪主張事案に絞って緊密かつ迅速な刑事弁護活動を提供しております。下記よりお気軽にご相談ください。

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